いま声高に「限界集落」「地域消滅」が叫ばれる中、四半世紀前バブルの圧力から町の環境破壊を守った真鶴町の経験の中に、そのヒントを見出す。
1 開発圧力に対抗するための独自の政策
*
|
開発を抑制するための「水の2条例」(1990・9・17制定施行) |
|
|
* |
「まちづくり条例」(1993・6・15制定、1994・1・1施行)この条例は、建設計画の規制と誘導に関して定めるばかりにとどまらず、「美の基準」という項目をもつ特色ある条例として名高い。また、さらに3年の年月をかけ,徹底した町民参加によりまちの将来像を描く「まちづくり計画」を制定した。 |
2 平成の大合併
「まちづくり計画」の実践で、身の丈にあった投資しかしない結果、町は健全財政を維持してきたが、この頃から全国的に広がる少子高齢化の波は、小規模自治体を飲み込んだ。人口一万人たらずの真鶴町もまた例外ではなかった。私は町長就任時より、首長三期限界説を提唱しておりました。自ら決めた定年の最終年、隣の湯河原町との合併協議が動き出し、内にあっては、二校しかない小学校の一校で、新入児童数が10名を割ると推計され、統合の検討を余儀なくされていた。私もまた自分の意思とは裏腹に「町村合併」と「小学校統合」のケジメをつけるため四期目の立候補をせざるを得なかったのです。ご存じの通り合併は不調に終わりましたが、このことについては話が長くなりますので、ここでは割愛いたします。
3 消滅可能性都市
このたび日本創成会議が、20歳から39歳までの女性人口の減少率から、消滅する可能性の高い市町村を発表した。確かに出産適応年齢の女性が減少すれば子供は少なくなる事は当たり前、しからば地域は消滅するのか、そうではあるまいと私は思う。昭和の大合併で、全国9900の市町村が3400余りに減少した。また平成の合併で3200の市町村が1700になった。それでも国は、適正規模の基礎自治体に収斂されてないと考えているのだと推量する。
そこで、任意の団体の発表として、896自治体を名指しした。神奈川県でも1市8町が該当するとされた。箱根、真鶴、松田、山北の順だと言います。箱根がなくなると思いますか、このことは、国が進めた平成の大合併のさらなる肩たたきだと考えます。いずれにしても、数年の内に、この県西地域で小田原を中心とした自治体合併の協議が始まることに間違いはなさそうです。 |