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「令」に違和感あり

2019.03.16

4組   今道周雄

新元号「令和」が発表され、様々な反響が起きている。元号がその世代を形作るのではなく、その世代に生きた人々が世代を形作るので、元号に目くじらを立てる程のことはないのだが、首相が自ら元号の意義を説くとなればどうしても拘りが生じる。
「令和」は万葉集まえがきの「初春月、気淑風、梅鏡前粉披、蘭珮後香薫」から二文字を取ったのだそうだ。だが、このような選択方法は果たして正しいものだろうか?
漢字は文字そのものが意味を持つ。また文字を組み合わせた時に、新たな意味を生ずる。
そこでまずはひと文字の意味を調べてみた。

「令」:ふれ。おしえ。いましめ。言いつけ。告げる。長。良い。使う。敬語
「和」:やわらぐ。なごむ。ほどよい。応じる。ふたつの数を加えた数。


 この二つのもじを組み合わせた時には
「令和」和やかにすべし、という意味になる。
 安倍首相は「令和には、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められている」と語ったそうだが、上記の小生の解釈からは「令和」に「上から目線」が感じられる。
 さらに、「令」を含む熟語では「巧言令色鮮仁」の様に「令」は繕うという意味を持っている。この場合は「令和」は「和を繕う」という解釈ができる。


 漢字はこのようにそれ自身が意味を持ち、組み合わせたときに意味を生じる。博識で見識高い方々が集まって議論した結果に、小生がケチをつけても致し方ないのだが、どうも安部首相の意義解釈は腑に落ちない。これは私ひとりの感覚の問題だろうか。それとも巧言令色の人が語ったことで、印象が悪くなった所為なのか?



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