ちょっと発表



2014.11.04  4組 吉田明夫

 ネイラカマスとカラスミ

① ネイラカマス(梭子魚)

 先日、小田原のスーパーで珍しくネイラカマスに出会った。下赤さんの真似をして旨かったものでも書こうかと思っていた矢先なので迷わず数匹を買った。昔、宮小路の居酒屋で出されたネイラカマスを思い出した。普通のカマスでも刺身で食べるがネイラは別格である。図体がでっかく脂がのっていて非常に旨い。カマスは生か干物だと思っているので、塩焼きにしても旨くは無い。ところがネイラは別である。焼いても旨いし、生でも行ける。晩飯時にカカアに3匹くらいを下ろさせ2匹分と1匹に分けた。両方とも私が食べる分である。1匹の方は包丁で筋を入れバーナーで炙って塩を振って食べる。2匹の方はそのままペロリと食べる。どちらも美味である。
 うちのかかあはアカデミックでは無いが、ハマチくらいまではさばいてしまう。何しろ旅館を営んでいた頃は板前の助手見たいなものだったから。私は板前が休みのときはもっぱら天ぷら職人だった。

 また、数日前市内の回転寿司に孫を連れて行ったら、そこにもネイラカマスが置いてあった。最近よく獲れているらしい。私は大病をしてからあまり口を大きく開けられないので、いつも舎利小で頼んでいる。だから回転して来る奴は食べない。やはり旨かった。もっともいつも5時頃行くので未だ寿司は回転していない。5時半位から回り始まる。
 その日は中トロもいい奴が出ていた。目の前の板さんに「これいいね」といったら、選んで出したと言う。しかし、回ってきた奴も違わず良かった。穴子も中国産だというが、変な甘だれが載っていなくて旨かった。回転寿司でよく出るアナギやウナゴと全然違う。へえ、こんなこともあるんだとつくずく関心した。赤貝もでっかくいいのが出て来た。カカアにどうだいいだろうと言ったら、何も言わず笑ってた。小4の孫娘も笑ってた。もっとも私が笑いながら見せたからだろう。
 ここの回転寿司は町中の寿司屋に負けないどころか、コストパフォーマンスがいい。同じものを普通の寿司やで食べたら1.5倍から2倍は取られる。それに韓国バーみたいに値があってないようなものである。
 最近はタッチパネルで注文するような回転寿司もあるが、入る気にならない。


ネイラカマス : 産地は湘南から伊豆にかけて。
大磯周辺の定置網で大変多く獲れ、毎年秋になると良型が入網する。正式にはアカカマスと呼ばれ、アブラカマスやホンガマスと呼ぶ人もいる。ネイラカマスは、西湘地域特有の名称で、おそらくは大磯周辺の漁場に「ねいらん深み」と呼ばれる一帯があり、そこで良く釣れた(漁獲された)ことから名付けられたと考えられている。中には 30 センチを超えるものも混じり、脂が乗っている時期には丸々と太ったカマスがズラリと並び、新鮮なものは刺身でも美味である。
小田原魚市場 鮮魚部の資料による。

 へえ〜、中国産も以外と悪くないんだ!


  
② カラスミ

 1990年代仕事の景気が良かった頃、よく板橋の寿司屋に通った。そこの大将は私と同じ血糖値が高く数年前に廃業してから長い間床に伏せっていたが、最近奥さんに会ったら3年前に亡くなったそうである。そういえば握りながらよく日本酒をちびりちびりやっていたのを思い出した。やはり日本酒は糖質が多いのだろう。
 彼が現役の頃、知り合いに漁師が居たらしく、時々その漁師が作ったカラスミを分けて貰った。これがまた旨かったのである。ボラ(鯔)が産卵のため海岸に近づいて来たのを捕まえて卵巣だけを取り出し本体は海へ捨てていたらしい。漁師仲間からは「また、彼奴だな」とよく言われていたらしい。しかし、旨いものは旨い。




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