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  2015.04.16 7組 斎藤良夫

延長800mの国府津海岸


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ちょっと細かい図面ですが、延長800mの国府津海岸(神奈川県小田原市)の護岸かさ上げ工事についての話です。

 神奈川県西土木事務所は4月14日、平成25年11月から行われている工事の進捗状況についての住民説明会を行いました。護岸かさ上げは津波・台風対策です。海岸通りにあるこれまでの護岸を1.5m高くするもので、総高は場所によって異なりますが、ほぼ2.8mになります。3月現在で延長約400mに渡ってかさ上げされました。海岸通りから海が見えなくなりました。

 説明会では平成28年3月までに全ての工事を終えたいと、今後の予定が示されました。加えて示されたのが、海岸通りから浜辺への出入り口(昇降階段)の設置場所です。4か所、つまり200m間隔で1か所つくるということです。波の侵入口をできるだけ少なくするための処置です。階段とスロープ各2か所です。当初の計画では、海岸通りから護岸の高さまで階段をつくり、護岸をまたいで浜辺へ降りる「護岸乗越えタイプ」が検討されました。しかし、「護岸の上から家の中がのぞかれる」と沿道の住民からクレームがつき、「防潮門扉設置タイプ」に決まりました。

 防潮門扉は、護岸と同じ高さの門扉を設けて波の侵入を防ぐタイプです。普段は開けておいて緊急時に閉める方式です。現在も一部に防潮門扉があり地元自治会が管理していますが、今後の開閉管理は全て県が行うことになりました。

 国府津海岸は、東京に近いとあって釣り人に人気です。土日などは、極端に言えば、釣る場所の隙間がないほどです。季節によっては西湘バイパスの高架下でバーベキューを楽しむグループも見かけます。ただ、浜辺を散歩する人の姿が少なくなりました。酒匂川の築堤と相模湾に突き出した突堤の影響で土砂が集まらず、国府津の海岸はやせ細ってきており、満潮の時などは護岸まで波が押し寄せることがあります。また、砂は浸食され、砂浜というより石浜になりつつあり、歩きにくくなったことにもよります。

 護岸かさ上げ工事に伴い、海岸通りから浜辺へ降りる石段等は全て撤去されます。昨年廃止された海水プール(管理・小田原市)も撤去されますが、まだ具体的期日は決まっていません。護岸の一部は、閉鎖された降り口の扉が板で簡易設置されたままです。予算の問題もありますが、県は、平成28年3月までにはなんとか工事を終えたいと話していました。

 景観と防災。各地で問題になっていますが、本日は国府津海岸の現状をお伝えします。






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