ちょっと発表



2015.08.06 7組 斎藤良夫

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 この酷暑の中を「なんで」と人様に言われる前に、自らにも「なにも好きこのんでわざわざ」と言い聞かせて、7月下旬に3か所の狛犬を訪ねた。

 一つは、小田原市国府津の自宅から車で約30分の「寒田神社」(神奈川県松田町)、あとの二つは、東京の「長善寺」(杉並区高円寺南)と「世田谷観音寺」(世田谷区下馬)。寒田神社は10回近く訪れているが、今年が創建1700年の節目の例大祭とあって、どうしても顔を出したかった。長善寺は本堂屋根に最近鎮座したという大変珍しい龍像の撮影、「世田谷観音寺」は狛犬とともに、移築されている「旧小田原代官屋敷」を見学するためだった。

 実は狛犬探訪は名目で、寒田神社と世田谷観音寺に太平洋戦争犠牲者を祀る「祭神」や御堂があり、そのお参りをしたかったのだ。世田谷観音寺は特攻隊員を慰霊しており、私はかなり前に一回だけ年次法要に参列したことがある。その時の想いが、観音寺に足を向けさせた。
 
 ことし8月現在で私は74歳と7か月。一応、戦前の生まれだ。生まれも育ちも国府津で、直接戦闘場面を見たわけでもないし、国府津は戦火も免れた。ただ、終戦間際の年、私は路上で近所の「お兄ちゃん」と遊んでいて機銃掃射を受けた。私は無事だったが、「お兄ちゃんは」腕を撃たれた。幸い命は助かった。私が今も忘れられないのは、機銃の音と銃弾で路上を走る土煙。そして、「お兄ちゃんが」が撃たれた時に身体が「空中に跳ね上がった」光景である。よく狩猟でみられる被弾したうさぎなど動物が跳ね上がる、あの姿とそっくりだったのだ。「お兄ちゃん」は今どうしているだろうか----。

 戦後70年。国会での安全保障関連法案の審議、70年の安倍首相談話の行方も加わって、今年の夏の新聞やテレビは、ドラマを含めて連日のように大戦に絡む報道が続いている。狛犬探訪の「余話」三題を、写真を交えてまとめてみました。

寒田神社

世田谷観音寺

長善寺の「屋根上の龍」


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