映画評



 「この世界の片隅で」                     4組  斎藤良夫 

 
 コンビニで買ったホットコーヒーを片手に映画館に急いだ。自宅から歩いて約30分。娯楽施設KoronaWorld。映画はアニメの『この世界の片隅に』。1月14日(土)。小田原で初公開で、しかも午前9時40分からの初上映の鑑賞だ。ふだんなら10人程度の観客だが、この日はざっと100人(定員130人)を数えた。実は12日(木)のNHK・TVの「クローズアップ現代+」でこの映画が紹介された。その影響によるもので、私もその一人だが、加えて広島の知人が「映像出演」していたことが、私を映画館に向かわせた----。

映画は原爆投下までの戦時下の広島の日常を若い女性の目線で描いたもの。知人は渡部公友氏。広島の「本覚寺」の副住職で、原爆資料館で被爆者の体験を伝える「被爆者体験伝承者」の立場から映画へのコメントを寄せていた。彼との出会いは15年以上前にさかのぼる。埼玉県で開かれていた『法華経』の読誦講座(1回二泊三日、延べ3年間で全品終了)で一緒だった。そして、2002年5月、山口県下関市で開催の国際捕鯨委員会取材の途次に、狛犬探訪をかねて広島に立ち寄った。その時、偶然「本覚寺」を訪れ、そこにあった狛犬の寄贈者一家が原爆で亡くなったことを知った。爆心地に近い寺社の狛犬は被爆の語り部でもあった。この被爆狛犬については狛犬愛好会の会報に書いたが、一方で渡部氏は原爆被災者の体験伝承者への道を歩んでいたのだ-----。

アニメ映画『この世界の片隅に』は、キネマ旬報の「2016年邦画第1位」というが、私の身近にいる友人は一人として、この映画のことを知らなかった。正直言えば、私のその一人でした。小田原での上映は14日が初日だが最終日は未定という。地元の「国府津情報」の番外として、いつもの通りに勝手に送信させてもらいました。関心がありましたら映画館に足を運んで下さい-----。

 
   

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