ちょっと発表




小田高ってスゴイんだね

   2014.10.26   3組 佐々木 洋


阪神、スゴイじゃありませんか!

 

10/2夜にオーストラリアに発つ前に、9/29-30山中湖畔で平塚市在住の嶋村健夫・和子ご夫妻がお持ちの別荘に泊ってテニス合宿をしました。この嶋村さん、阪神タイガースの開幕前の合宿地まで乗り込んで行くほどのトラキチで別荘も「虎風荘」と名づけられています。一方、私はその昔は読売ジャイアンツの熱烈なファンだったのですが、ナベツネ流が嫌になってアンチ巨人に転じていて、嶋村さんとともにタイガースのジャイアンツ打倒を支援しており、今シーズンのペナントレースでのタイガースのあまりの不甲斐なさに落胆したままオーストラリアへの旅に出ていたのでした。ですから、TVを全く見ないまま過ごして10/18深夜に帰国した私の眼に映ったインターネット画面の「阪神日本シリーズへ」の文字列は文字通りの“半信(阪神)半疑”を超えたビックリものでした。そして、10/20(月曜日)に、およそ3週間ぶりのテニスに出かけて嶋村さんにお目にかかった時に真っ先に口を発して出た言葉がこの「阪神、スゴイじゃありませんか!」の一言だったのでした。

小田高だってスゴイじゃないか!

嶋村さんにお贈りしたエールに対して「小田高だってスゴイじゃないか!」というエールが贈り返されてきたのでまたまたビックリ。「阪神」というボールでサービスを放ったのに「小田高」という違うボールがリターンされてきたからです。「えっ」と思わず目を丸くする私に嶋村さんは「いやー、あんなにスゴイ絵を持っているなんて」と言いながら、「大観の富士」という特集記事が載った「広報ひらつか」と「横山大観の富士」と題する美術展のチラシを手交してくださいました。前日(10/19)平塚市美術館に出かけて、そこで小田原高校蔵の「横山大観の富士」のスゴイ絵をご覧になって小田高のスゴサにビックリされたのだそうです。「えっ、横山大観の絵なんて在校中にも卒業してからもお目にかかったことなんてないのに」と“半信半疑”どころか“無信全疑”に限りなく近い私。早速、「我が目で確かめて、私と同じようにスゴイ絵の存在を知らない同窓生各位にお知らせしなくちゃ」と思い立ちました。 

小田高蔵の作品はスゴイ絵だった

明くる日(10/21)訪れた平塚市美術館の展示会場には54点に及ぶ「横山大観の富士」が展示されていました。一通り全点観賞してから「さて小田原高校蔵という作品はどれなんだろうと」思ったのですが全く手掛かりが得られません。小田原のオの字も識別できなかったからです。立て看板に書かれていた「年譜」を見ても、横山大観と小田原高校どころか小田原との接点について一言も触れられていません。そこで、受付で渡された出品作品目録をつぶさに点検し、そこの「所属」欄に、東京国立美術館、横浜美術館、奈良国立美術館、静岡県立美術館、山梨県立美術館、ポーラ美術館、メナード美術館などといった高名な美術館と肩を並べるようにして「神奈川県立小田原高校」の名があるのを発見。ようやく、作品No.12「初秋黎明の富嶽」が探し求めていたものだと分かりました。改めて所定の場所に立ち戻ってみると、それは果たして、私が出展作品のうちで最もスゴイと思った作品でした。更に近づいてみると確かに、「神奈川県立小田原高校蔵」と書かれた小さな札が付けられています。譜代の阪神ファンの嶋村さんも俄か阪神ファンの私も絵を見る目は同じで、「スゴイ絵を持っている小田高はスゴイ」ということを共感することができました。

“タイカンつながり”で小田原高校蔵に

しかし、これだけでは横山大観と小田高のつながりについてうかがい知ることができません。そこで大枚600円也を支払って音声ガイド機を賃借したところ、「1927年(昭和2年)に、昭和天皇の戴冠を記念して講堂に絵を掲げたいから」という小田原高校からの要請を大観が快諾して1930年(昭和5年)に完成した作品だということが分かりました。なんと横山大観と小田高とは“タイカン(大観/戴冠)つながり”だったというわけです。しかし、1901年に 神奈川県立第二中学校と改称され、更に1913年に神奈川県立小田原中学校となった後に、神奈川県立小田原高等学校と改称されたのは1948年のことですので、厳密にいうと“下手人”は神奈川県立小田原中学校関係者ということになるのでしょう。こんなにスゴイ絵が講堂に掲げられていたとも知らずにいたのですから、スゴイ絵を“タイカンつながり”で手中にした“下手人”殿のせっかくの勲功も、少なくとも私にとっては“猫に小判”に過ぎなかったということになりそうです。

お伝えしたい“秘蔵物”の片鱗

ことによると、“猫に小判”派は私以外にも存外大勢おられるのではないか。さればWeb11にてご注進に及ばねばと思って、スゴイ写真にレンズを向けようとしたのですが、ここでは写真撮影が禁じられていて係員が目を光らせています。せめて受付で売られている出展作品集(1,500円也)に収納されている作品の写真を撮影させてくれるよう依頼したのですが、これも著作権がどうたらこうたらでNoのつれない返事。やむなく、美術館内の図書スペースに立ち寄って「現代日本美術全集・横山大観」を検索しても掲載されている210点中に含まれておらず、ここでも写真を撮影することもできません。「年譜」にも触れられていないところを見ると“我らが”「初秋黎明の富嶽」は限りなく知る人ぞ知る“秘蔵物”に近いようです。
しかし、なんとしても同窓生諸兄にこの作品の“スゴサ加減”をお知らせしなければ。そのためにはインターネットにすがるしかありません。そこで早速インターネットに“お伺いをたてた”ところ、僅かに小田原高校同窓会「樫友会」のホームページだけに(http://odako.org/web/about/cat34/post.html)に「校宝」として右のような写真が載せられていることが分かりました。ガラス越しに上部に映っているのが「初秋黎明の富嶽」ですが、格調の高い構図や大胆な色遣いから漂い出てくる作品のスゴサをお分かり頂けるでしょうか。

 

百聞は一見に如かずにて

差し出がましい話ですが美術展「横山大観の富士」の概要を下記の通りご案内させていただきます。百聞は一見に如かずです。ダマサレタと思って平塚市まで足を伸ばして来館され、69.0-170.0cmサイズの実物画面の前に立って“我らが秘蔵物”のスゴサを共感していただければ幸いです。
   ・日  時: 2014年11月24日(月曜・振替休日)まで  9:30 – 17:00 (入館は16:30まで)
          *月曜日休館。但し11/3と24は開館で11/4(火)が休館。
   ・場  所: 平塚市美術館
          *JR平塚駅から徒歩20分。無料駐車場70台。JR平塚駅からバス利用も可
   ・観覧料金: 900円 
          *65歳以上で平塚市民は無料、市外在住者は30%割引