上記の両軍先発メンバーを比較して、一目瞭然の差が見えるのは、ジャイアンツでセ・リーグ打撃ベスト10に入っているのが坂本一人(7位)であるのに対して、ホークスの方は、柳田(1位)、李大浩(5位)、中村晃(6位)、松田(8位)、内川(9位)と5人もがベスト10入りしているところです。そして更に、ヤクルト・スワローズの山田と並んで、打率3割本塁打30本30盗塁のいわゆる「トリプル3」達成をほぼ確実にしている柳田をはじめとした“若鷹”たちが入団してから着実に力を付けてきているのに対して、即戦力を雇い入れる傾向が強いジャイアンツの方は、入団時に備えていた実力を使いつぶしているうちに次第に“老巨人”になってきたメンバーが多いように思われます。要するに、球団としての選手を鍛え育てる力の有無が強く感じられ、特にこれが、ジャイアンツのメンバーの体形や動作の中に見られる“鍛えこみの無さ”に如実に表れているように見えます。「選手は買いそろえるもの」という意識ばかりが蔓延していて、「選手は育てるもの」という意識が欠乏しているところに、“弱い巨人”の最大の原因があるのではないでしょうか。