ちょっと発表 |
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ふと見上げると白い花びらが静かに微笑んでいました。あっ、ヤマボウシだ!そして、5-6年前の初のお目見えの時のイメージと重なって見えました。湯河原の幕山を頂上めがけて散策している時に山路の畔に立って静かな笑みを投げかけてくれたヤマボウシの姿です。さわやかで落ちついた印象のある白い花を見て一気に体の疲れが癒された思いがしました。「山法師」とはまた随分いかめしい名前がついているものだなと思ったのですが、白い花びらに見える総苞片を坊主頭と頭巾に見立ててつけられた名前のようです。「そうか、山中にこもって修行されている山法師殿にも人寂しい思いがすることがあるんだな」と勝手に思って、まだ会ったことのない山法師殿の人柄にまで好感を寄せるようになりました。そんな山中の花木と思っていたヤマボウシが実はここ辻堂界隈のお住まいのあちこちに植えられているのに気が付いたのは、「友情」を花言葉とするヤマボウシの花期になったせいでしょうか。宅地に植えて行きすがる人たちにも安らぎの気持ちを与えようとしているところに辻堂民族の豊かなホスピタリティが感じられるようで嬉しい気持ちになっています | |||
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私がこれぞハナミズキという光景に出会ったのは25年程前、ニューヨークで勤務していた学生時代からの友人宅を訪れた時のことでした。当時は旺盛な経済力に支えられて日本人がアメリカで大いに羽振りを利かせていました。友人は「マンハッタンを東京市街とすると浦和に当たる位置関係」にあるスカ―スデールに住んでいましたが、元別荘地だったというだけあって、立ち並ぶ住宅の姿のいやはや見事なこと。そんな高級住宅地を飾っていたハナミズキの花姿がまた見事なものでした。赤色系が主体でしたが、賑やかに咲き誇る姿はまさに「アメリカの桜」を思わせるものでした。実際に、アメリカ、特に東部では、日本の桜と同じようにアメリカを代表する樹木とされていて、バージニア州とノースキャロライナ州などでは州花になっているのだとか。南部のジョージア州などで初春に、北部のメイン州などで春の終わりにという具合に開花時期が移動する模様が、日本の「桜前線」と同じように「ハナミズキ前線」として報道されることがあるなんてこともずっと後になって知りました。 ハナミズキの英名の「Dogwood(犬の木)」は、「樹皮の煮汁が犬の皮膚病治療に使用されたことに由来する」というあまり面白くない話ですが、Dogwoodは英語っぽく発音すると「ダグウッド」。その昔、朝日新聞に連載されて日本でも人気を博していた「ブロンディ」、こんなアメリカの日常生活を描いた漫画の主人公の名前にまで使われているのだから「ダグウッド」はアメリカ国民の心の花なんだぞ…と思ってきたのですが、これは確証を得られていません。しかし、1912年に日本が桜(ソメイヨシノ)3,000本を寄贈した返礼として1915年にアメリカから贈られてきたのが、ハナミズキの日本デビューの機会となったのは事実です。「アメリカ・ハナミズキ」という別名があるのもこのためだと思います。いずれにしても、一方の桜が、アメリカの首都ワシントンDCを流れるポトマック河の畔で畔にアメリカ国民の心を癒し、もう一方のハナミズキが日本の数々の市の花として採り入れられてきているのですから、ともに日米友好の役割を果たしていると言えそうです。日本から桜を送り出した当時の東京市長・尾崎行雄はさすがですね。安倍晋三首相も米国訪問に当って、トランプ大統領私用のゴルフクラブを贈ったりしないで、アメリカ国民に対して日本国民の心を示した贈り物でもしていれば、少しは「憲政の神様」に近い評価を受けていたのにね。 |
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