人形町の甘酒横丁にある豆腐屋の双葉は、明治40年に深川で創業し昭和23年にこの地に移ってきた。
写真の風情のある竹筒に入った「竹豆腐」には日本橋らしい逸話があり、かって隅田川沿いには料亭がひしめき合い、春は花見、夏な花火、秋は月見の屋形船を出していたが、それに供する品の豆腐が人気であったが舟の揺れでガラスや陶器の器から飛び出すことが多かったので、それを防ぐ策として竹筒に流し入れることを思いついたのだそうです。
他に名物の通常の10倍もの大きさの「ジャンボがんも」は、三代目の遊び心から生まれた商品で、30数年前に大きさの違うがんもを重ねて年の瀬に“お供えがんも”として売り出したところ〝美味しい”と評判になり商品化し、家庭で煮る際には味付けの前に茹でこぼすのがコツで、つなぎの大和芋がふっくらと膨らみ、味がしみやすくなる。
1階は豆腐商品売り場で、2階は豆腐料理屋で、3階は宴会場となっており、2階で出汁のしみた人参、切り昆布、銀杏、栗の入った熱々のがんも類や豆腐がいただける。
竹豆腐にはプレーン、ゆず、黑胡麻の3種類があり、通常は店前でいただくもので、お塩で食するようになっており、持ち帰りはフタ付きで別料金となる。
大豆は青森産の“おおすず”を使用し、他に豆腐、厚揚げ、豆腐で作ったドーナツ、ソフトクリーム、甘酒ソフト、湯葉、銀杏がんも等数多く、特に甘酒が有名である。
双葉からさらに清洲橋通りに向かい、右手に新川屋佐々木酒店がある。
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