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    2012.09.06 吉田明夫

 我が国固有領土で実効支配出来ていないのは北方4島と竹島である。尖閣にしても完全な実効支配からはほど遠く何となく保持出来ているといった危うさに満ちた状態である。

 一度失った領土を取り戻すのは非常に困難である。日本が竹島を取り戻すにはどうしたらよいか。
八月末の朝日新聞に読者の意見として、小学校のある教員から「領土問題は冷静に話し合おう」というのがあった。この人は次のように云っている。「日本が領土問題を、力によって解決する道を選択するなら、日米軍事同盟はいっそう緊密になり、軍事的な緊張状態を絶えず強いられることになる」と。そして文末に「領土問題で争っているのは、同じ地球人としての一体感を断ち切る愚かな行為です」と。

 話し合いといえば平和的で聞こえが良いが、ではどのように話し合いをするのか。
具体的な方法論も示さず聞こえが良いだけの抽象論なら、事なかれ主義と言われるだけである。そのような人が如何に多いことか。日米軍事同盟が緊密になることは軍事的な緊張状態を絶えず強いられることなのだろうか。その日米軍事同盟が無ければ日本独自で島嶼国我が日本を守ることが出来、軍事的緊張状態が無くなるのであろうか。

 この人の意見はいかにも日教組のイデオロギーに洗脳された教師らしいのであるが、本当に話し合いで解決出来ると信じているのが、ご立派というかちゃんちゃら可笑しいのである。
 又、朝日新聞はひと頃程では無いにしろ相変わらず赤旗の姉妹紙のようで、このような投稿は喜んで載せるのである。

 もし、竹島を取り戻そうとするなら、出来るか出来ないか、又善悪は別として、武力で獲るしかないだろう。フォークランドのように。それが出来ないなら放棄するしかないであろう。

 尖閣については、メディアによって連日のように報じられている。東京都の上陸申請を却下したことは、政府が領土問題の存在を認めたと同じことである。いたずらに中国を刺激しない為であるという。中国が未だ経済発展途上で軍事力もさほどで無かった頃にはこのようなちょっかいを出して来なかった。
 鄧小平が1978年発言した「棚上げ論」等はもはや考慮する必要は無い。中国が考慮しないのに日本だけがそれに固執することはおかしな話である。

 南シナ海に於ける中国と周辺諸国の対峙はどうであろう。明らかにフィリピンやマレーシア・ヴェトナムの海を中国の領海と決めつけた線引きをしている。
 尖閣に何も造らないとすれば、近々南シナ海の現状よりも状況は更に悪化し、日本は取り返しのつかない過ちを犯すことになる。石垣市も漁民が安全に操業出来、悪天候の時の為に魚船の待避場所の設置を希望している。

 もし、尖閣が無防備の状態で数百数千という中国の漁船が押し寄せたら、どう対処するのか。領海侵犯ということで、全て追い払えるのか。もう海保の力ではどうにもならない。海上自衛隊により撃沈しないかぎり無理であろう。更に何百という中国人が上陸し、島を占拠されたらどうするのか。相手を傷付けずに全員逮捕なんて出来る訳が無い。こうして中国に実効支配されるのである。これを武力で排除しようとすれば、中国も軍事的に黙ってはいないだろう。
 であるから、あらかじめ日本の諸施設を設置し、自衛隊即ち軍隊を常駐させておき、中国漁船や疑似漁船等が領海侵犯すればそれなりの行動をとるということを宣言するべきである。

 日本の外交が上手く行かないのは何故だろうか。上手く行ったのは諸外国にODA経済援助をするときぐらいで今後はそうは行かない。

 竹島にしても、尖閣諸島にしても豊富な漁業資源のある地域である、勿論北方4島もである。
 これらの島々を外交で解決しようとするならば、それ相当の国力を持たなければならないのではないか。
つまり強引に日本へちょっかいを出せば、酷い目に遭うということである。
 先ずは憲法9条の早期改訂と軍隊の保有を明記し、防衛力の強化を進める勇気を持つことである。

 諸外国は日本の自衛隊を「Self-Defense Forces」とは呼んでいない。陸上自衛隊については「Japanese Army」つまり「陸軍」と呼んでいるのである。

 それに「戦略的互恵関係」(2006年10月に安倍首相と胡錦濤主席の間で打ち出された)というわけの分からない言葉の使用を止めるべきである。
 「戦略」とは、いかに戦うかである。辞書によれば「互恵」は国と国とが互いに特別の便益・恩恵を与えあうこととある。だから「互恵関係」だけで良いのである。

 外交を有利に進めるためには、強い国力(経済力・軍事力)が必要なのではないか。
戦争を如何に避けるかということは大事なことで、人類の英知に係わっている。
しかし、人類の歴史上、戦争が無かった時代は無いのである。いつの時代もそれを避けようと努力した人間は居たにも拘わらずである。争いは絶対に無くならないのである。もし戦争が避けられなければ、絶対に勝利しなければならない。
強力な軍事力を持つということは、戦争の抑止力になるということを真剣に考えなければならない。
 そういう考えを多くの国民が持つことにより、その意をくんだ政権が誕生し、日本の繁栄を
築いて欲しいものである。「見ざる云わざる聞かざる」は祖国に対する反逆者も同然である。

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上記の掲載後、9月6日 19:10に下記のような記事がWeb版Flash Newsに掲載された。

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 野田佳彦政権が、沖縄県・尖閣諸島を20億5000万円で購入する売買契約に関し、埼玉県在住の地権者と合意したことが5日、分かった。東京都の石原慎太郎知事が「国有化」の条件として求めていた、漁船待避所などの整備は見送るという。中国の反発を恐れた、事なかれ主義の現状維持といえ、石原知事は同日、「納得できない」「地権者にじかに聞く」と語った。専門家からも「最悪の決断」「野田首相は売国奴だ」といった怒りの声がわき上がっている。
 「地権者や東京都と、さまざまなやり取りをしている。中身はお話しできない。プロセスです」
藤村修官房長官は5日午前の記者会見でこう語った。

 政府関係者によると、購入するのは、魚釣島、北小島、南小島の3島。長浜博行官房副長官と地権者の男性が3日に会談し、合意した。月内にも正式な契約書を交わすとともに、関係閣僚会合を官邸で開き、国有化方針や予備費からの購入資金拠出を確認する方向だ。

 国に先行して購入交渉を進めていた石原知事が、同諸島の実効支配を強化するため、「国有化」の条件として求めていた、漁船待避所(船だまり)や灯台、電波の中継基地、気象観測所などの構造物は作らず、島を現状のままで維持するという。

 東京都の洋上調査(2日)にも参加したフォトジャーナリストの山本皓一氏は一報を聞き、「信じられない。尖閣の実効支配を強めないまま国有化するとすれば、日本という国家が『中国の圧力に屈した』という世界に向けた悪いメッセージになる」といい、こう続ける。
 「中国は南シナ海で、フィリピンやベトナムの領土・領海を奪ったように、着々と尖閣の強奪を狙って手を打ってきている。石原知事はそれを阻止するため、都で購入して実効支配を確実にする漁船待避所や灯台などを建設する計画だった。賛同する国民から15億円近い寄付も集まった。野田政権はそれを横から邪魔したことになる」

 長島昭久首相補佐官は4日、都内で石原知事と会談し、地権者側と合意したことを報告。この席で、中国や台湾を刺激しないため、石原知事の条件を拒否することを伝えたという。山本氏はいう。

 「尖閣購入は単なる土地買収ではない。他国の主権侵害に対し、日本が毅然とした姿勢を貫けるかが問われていた。野田首相は先月24日の記者会見で『不退転の決意で臨む』と語ったが、全く逆のことをしている。世界中から笑われ、バカにされる。これは領土問題だけでなく、外交や経済などにも悪影響を与える。日本人を狙った誘拐事件も増えかねない」

 尖閣諸島について、野田政権側は当初、実質的価値を「5億円程度」(首相周辺)と見積もっていたが、都が15億円近くの寄付金を集めたことから、国有化を急いで、20億円超での購入を決めたという。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「国民の税金を使って、最悪の決断をした。野田首相は自分が何をしているのか分かっているのか。これでは、『売国宰相』と呼ばれても仕方ない」といい、こう解説する。

 「中国が領土権を主張するなか、日本が尖閣諸島を国有化しても、実効支配を強めないなら、世界各国は『中国の言い分に正義があるのだろう』と見る。中国は時間稼ぎをして、海軍力を強めて一気に尖閣諸島を奪う構えだが、野田政権はその手伝いをしている。中国と『尖閣に建物を造らない』などと密約でもしているのでは。中国の思い通りだ」

 そのうえで、事実上、「次期首相」を選ぶとされる自民党総裁選について、こう提案した。

 「民主党 政権には、自分で自分の領土を守る気がない。石原知事に首相になって、尖閣の実効支配を強化してほしいが、それが無理なら、自民党に期待したい。尖閣問題を自民党総裁選の争点にすべきだ。候補者は『自分が首相になったら、尖閣諸島をこうする』と明確に公約してほしい。このままでは、尖閣諸島の竹島化もあり得る」と。




       
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