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今道さんの<リアリティとバーチャルの狭間にて>を聴いて想う
2017.05.20
6組  瀬戸章嗣

 今年のOHCDで、11期生教室のテーマが<仮想と現実>と知って、タイムリーなテーマだと思い、当日は都合で、後の懇親会は欠席でもと百段坂を上ったのですが、期待違わず、 情報通信技術の専門家である今道さんから、近年の情報化が急激な社会変化をもたらしているという認識の確認と、その中での個人の生き方として、社会的に大問題になる可能性がある<日本の橋の老朽化>を、<情報通信技術で検知する>という、又新しい仕事人生を、社会に役立つ信念をもって選択して、そういうご自身を幸福者だと思いながら活動されているらしいのを聞いて、感銘を受けました。 ご同慶の至りです。ありがとうございました。

 実は、<タイムリー>と思ったのは、長く生きて自分の感覚と記憶の中で変化が比較できる功徳か、社会がいつの間にか大きく変わっているのを私自身も実感しており、そして気になるのがその変化で、これまで感じてきたような希望もあるものの、一方で、どこへ行くのか分からない不安を一緒に感じていたところ、毎年2回開かれている東京大学公開講座の昨年秋のテーマが同じ<仮想と現実>で、本郷の安田講堂に集まった大勢の人々を見ていたからです。

2年前の<心>講座から通い始めている私は、3日に分かれた9講義を聴講したのですが、
講義要項から、日出しのテーマ毎に、<講義テーマ>と(講師の専門領域)を書いてみます。

「仮想現実と私」・・・<バーチャル化する身体>(先端科学技術)、

・・・・・・・・・・・<フィクションと シュミレーシ ョン>(人文社会系)、

・・・・・・・・・・・<新感覚の世界を生きる>(薬学)

「仮想現実と身体」・・<ロボット手術の歩む道>(医学系)、

・・・・・・・・・・・<教育におけるリアル とヴァーチャル>(教育学)、

・・・・・・・・・・・<Human Augmentation:人間拡張とその未来> (情報学)

「仮想現実と社会」・・<「現実を編集する」インターフェース>(情報理工学)、

・・・・・・・・・・・<政治における現実と仮想>(法学政治学)、

・・・・・・・・・・・<「現実」になった仮想通貨>(経済学)
 

 小学生の時の鉄腕アトムとの出会いから、今も自分が生きている間にアトムのように空を飛べる日が来るかもしれないと思い、飛び降りた時に転ばないように今の足腰を維持しようと、仮想を現実の健康管理と結び付けている私ですが、小田高へ入学した時に東大入学を覚悟して猛勉強し、偶々でも夢が実現したことや、理想社会を夢見ての安保反対デモ参加と挫折の現実、商社の食品輸入開発や関連会社経営での基本行動であった企画、実行、結果確認、再行動(PDCA)等、元所属会社の盛衰と再生を遠望しながらの第二、第三の人生を生きている私にとって、思ってみれば生活はいつも、<仮想>と<現実>の間にあるともいえると思いますが、<仮想からより良い現実を><現実からより良い現実の為の仮想を>の思いで、行動の部分は無理なく下降しながら、これからも生きていこうと思っています。

 そして、私の<仮想>は、<現実>と離れた存在でなく、むしろ<現実の裏側>とか、 <現実の前とか後につながる存在>という感じで使っているのですが、この<仮想>が <バーチャル>の訳語として使われていることに関して、上記の最初の講義で説明があり、 日本語の<仮想>から、似て非なるもの、まがい物などを思い浮かべるかもしれないが、 と前置きし、バーチャル(virtual)という概念は、<実質的に存在すること>に要点がある、とのことでした。「バーチャルという概念は、どうも東洋ではなじみが少ないようだ。」、 「中国語圏でも<虚偽>と訳されたりしている。」とも聞き、 「<仮想的な現実とは何か>を、バーチャルと仮想の違いを適切に踏まえた上で議論することで、英語圏とは異なる独自の思索や新たな応用も生まれてくるかもしれません。」と聞いて、成程と思った次第です。ご参考までご紹介致します。
                                      以上

 

 

         
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