では本当に食塩の摂取は血圧を上げるのであろうか。
2012年3月2日付けの毎日新聞の「長生き県は長野」という記事である。余談だが、ワープロに「ながいきけん」と打ったら「長い危険」と変換された。なるほどそうとも読めると感心してしまった。
『厚生労働省は1日、人口10万人当りの年間死亡者数を表す都道府県別の年齢調整死亡率(2010年)を算出し、男女とも長野が最も低かったと発表した。5年毎の調査である。長野は男性が90年以降5回連続で最も低く、女性は前回2005年調査で2番目に低かった。
死亡率が低いのは、男性では長野で477.3、滋賀496.4、福井499.9の順であった。女性は長野248.8、新潟254.6、島根254.7で男性の半分。高いのは、男性が青森662.4、秋田623.5、岩手590.1。
女性は青森304.3、栃木295.7、和歌山294.5であった。
<年齢調整死亡率:年齢構成の異なる地域間で病気など による死亡状況を比較するため、統計上の処理によって 年齢構成をそろえた場合の死亡数。(単位:人/10万人)>
長野の死亡率が低い理由について、同省は「保健師らによる 食生活の改善運動や病気の予防対策に熱心に取り組んでいるためでは」と指摘している。』それなら他の県でもやったらと云いたい。この青森県での死亡率と食塩摂取量の関係から、食塩の多量摂取はだめという結論を出している。
一方、1人当たりの食塩消費量(摂取量)ランキングもある。
総務省は家計調査から都道府県別食塩消費量を調べている。この食塩消費量調査の結果は、1位は青森県で年間4571gで全国平均2692gの1.7倍の消費量である。山形、秋田と東北地方の後に、長野、そして岩手となる。
心疾患、脳血管の罹病率の統計もある。長野は脳血管疾患は多い方だが、心疾患では少ない方である。青森の男性なら確かに肥満でもあり塩分摂取との関係があって、脳、心臓に問題がある。気温の低さと塩分摂取も割と強い相関があるが、北海道は該当しない。このようなことから、男女を問わず塩分摂取は良くないというのは単に仮説であって、正しいと立証された訳ではない。