そこにいくと、不要不急の衆議院選挙を、しかもクソ忙しい年末に仕掛けて大勝をおさめることによって「純真な」国民に以下のようなことを“気が付かないうちに”認めさせた自民党のシタタカさは大したものです。
① メッキがはげてきた「アベノミクス」(実は経済学不在の“アベノーエコノミクス”)の看板を引き続き 掲げ続けること
しかし、日本国民のうちの何人が「アベノミクスの具体的な内容は何ですか?」という質問に正しく答 えることができるというのでしょうか。そう言えば、小泉純一郎元首相も具体的な内容が全く不可解な 「カイカク」を連呼して「純真な」国民を煙に巻いていましたっけ。
② 集団的自衛権行使に関して国会審議より行政府決定を先行させた三権分立の原則を脅かしかねない〝暴 挙“を不問に付すこと
このことによって、行政府が決定した事項(実質的な立法)を実現させるための法令が、本来は国権の 最高機関であるべき立法府で審議制定されるという奇妙な手順が白昼堂々ととれるようになりました。
③ 景気動向の如何にかかわらず、否も応もなく、消費税を2017年4月に8%から10%へ引き上げること
通常は、消費税引き上げを行った内閣は倒れて短命に終わるのですが、今回は景気弾力条項が削除され るということが総選挙の結果是認された形になっていますので、安倍長期安定政権はお墨付きを国民か ら得たようなものになります。思えば2014年4月に5%から8%に引き上げられたのも、「純真な」民主 党政権の野田元首相が仕掛けた三党合意に基づくものだったので自民党に対する風当たりはほとんど無 かったようですね。
④ 政治とカネの問題から就任早々退陣を迫られた小渕優子・松島みどり両女性官僚に 対する安倍首相 の任命責任は問わない
ご両名とも「ナイーブな」地元有権者の支持を得て当選しているのですから、それぞれ物議を醸したネ ギだのウチワなどは日常茶飯事であってメクジラを立てるような政治とカネの問題ではないと思われて いる証拠です。今後は国会における政治と金の問題の追及も手緩くなることが予想されるので安堵して 、ほくそ笑んでいる自民党議員もかなりおられることでしょう。 |