旅   行


韓国自動車旅行 その8
2016.03.29
4組   今道周雄

第8日目 水原からソウルへ

 長いと思った韓国縦断の旅も、最後のソウルを残すだけとなった。水原からソウルは20Km程度で近かったが、車の運転は大変だった。何しろ車が混んでいて、おまけにぶつからんばかりの勢いで割り込んでくる。ここは運転名人の吉田さんに頼るしかあるまいと、運転を代わってもらった。

 ソウルは嘗て百済の都であったが、百済が滅びて高麗時代になるとソウルの北北西におよそ66Kmほど離れた開城が都として定められた。その後14世紀末に高麗の将軍李成桂が政権を取り、漢城(ソウル)へ遷都して以来500年に渡って李朝の都として栄えた。

 ソウルは漢江で区切られた北側が旧市街で南側は「江南(カンナム)」と呼ばれ、1960年終わり頃から開発が進められた地域である。この時代は「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれ、朝鮮戦争で壊滅的な打撃を受けた韓国が短期に急速な復興を遂げたが、その裏には朴正煕政権下で財閥が跋扈し、労働組合の弾圧や労働者の海外派遣など厳しい社会情勢が存在した。

 水原から国道1号(京釜高速国道)を通って旧市街に入るには、漢南(ハンナム)大橋を渡るのが最も直線的なのだがこの橋は狭いので、その下流にある盤浦(パンポ)大橋を渡ることにした。そこから川沿いに すこし下流へ走って汝矣島(ヨイド)を見るのが目的である。この島は漢江の中州でなのだが国会議事堂、KBS(韓国テレビ放送)、そしていくつかの銀行などの高層ビルが建ち並ぶ韓国の政治経済の中心となっている。この島をぐるりと一回りして今宵の宿プレジデントホテルへと向かった。

ホテルの場所は中区という中心街で、近くにはロッテホテル、市庁、があり、繁華街の明洞までは歩いて5分という観光にはもってこいの場所だ。夜は仁寺洞(インサドン)で食べようと早速出かけた。

 


水原からソウル
 
プレジデントホテル
 
仁寺洞(insadong・인사동)の夜

 斯くしてソウルの第一夜は仁寺洞の散策だけで終わった。ソウルの第二日目は昌徳宮の見学と夜の京東市場散策である。第4日目に書いたカンジャンケジャン(漢江南の江南地区にある新沙洞で)にいよいよ挑戦する訳だが、私はこの夜旧知の金澤鎬氏と会う約束をしていたので、残念ながら珍味への挑戦を諦めざるを得なかった。

 ソウル市内には景福宮と昌徳宮という二つの宮殿があり、前者が主宮殿で後者は離宮という位置づけである。しかし、第九代成宗は正殿として使用した。敦化門(トンファムン:昌徳宮の正門、1412年当初の建築)をくぐると数多くの建物がならび、それぞれがまた門を構えている。昌徳宮の中心は仁政殿で、ここで公式行事が執り行われた。内部には玉座がしつらえてあり、嘗てはその周りを臣下が取り巻いていたろうと想像した。

 宮廷内には小さな池があり、そのほとりに芙蓉亭がたっている。それを見た吾が女房殿は興奮して「この池の周りを粛宗とトンイが散歩したのよね!!!」と叫ぶ。「なるほどそうか」とは思ったがこんな小さな池に興奮することはない。

 
進善門
 
仁政殿
 
仁政殿玉座   芙蓉亭

 締めくくりは市場見学である。ソウルには東大門市場や南大門市場など日本でも良く知られた市場がある。しかし韓国通の吉田さんが選んだのは京東市場であった。ここは高麗人参、薬草、樹皮など漢方の材料が豊富にあることで知られている。市場には昔の日本を思い出させるむき出し商品が山ほど積んである。キムチに欠かせない唐辛子や、それに使う調味料がどかっと並んでいる。韓国というと焼き肉を連想するが、肉の陳列も豪快だ。10日近くも韓国に居るとキムチのにおいが気にならず、食欲をそそるようになってきた。ついにカンジャンケジャンを食べ損なったが、韓国の料理は美味しかった。

アンニョンイガセヨ韓国!!!

 

下の画像は東大門近くの京東(gyeongdong)市場(穀類・豆類・肉類・唐辛子など)

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