長いと思った韓国縦断の旅も、最後のソウルを残すだけとなった。水原からソウルは20Km程度で近かったが、車の運転は大変だった。何しろ車が混んでいて、おまけにぶつからんばかりの勢いで割り込んでくる。ここは運転名人の吉田さんに頼るしかあるまいと、運転を代わってもらった。
ソウルは嘗て百済の都であったが、百済が滅びて高麗時代になるとソウルの北北西におよそ66Kmほど離れた開城が都として定められた。その後14世紀末に高麗の将軍李成桂が政権を取り、漢城(ソウル)へ遷都して以来500年に渡って李朝の都として栄えた。
ソウルは漢江で区切られた北側が旧市街で南側は「江南(カンナム)」と呼ばれ、1960年終わり頃から開発が進められた地域である。この時代は「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれ、朝鮮戦争で壊滅的な打撃を受けた韓国が短期に急速な復興を遂げたが、その裏には朴正煕政権下で財閥が跋扈し、労働組合の弾圧や労働者の海外派遣など厳しい社会情勢が存在した。
水原から国道1号(京釜高速国道)を通って旧市街に入るには、漢南(ハンナム)大橋を渡るのが最も直線的なのだがこの橋は狭いので、その下流にある盤浦(パンポ)大橋を渡ることにした。そこから川沿いに すこし下流へ走って汝矣島(ヨイド)を見るのが目的である。この島は漢江の中州でなのだが国会議事堂、KBS(韓国テレビ放送)、そしていくつかの銀行などの高層ビルが建ち並ぶ韓国の政治経済の中心となっている。この島をぐるりと一回りして今宵の宿プレジデントホテルへと向かった。
ホテルの場所は中区という中心街で、近くにはロッテホテル、市庁、があり、繁華街の明洞までは歩いて5分という観光にはもってこいの場所だ。夜は仁寺洞(インサドン)で食べようと早速出かけた。
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