音楽と情景 -3-   ロシアの作曲家 -その1-
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2015.12.20  4組 吉田明夫
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① ミハイル・グリンカ(1804〜1857)

 国外で広い名声を勝ち得た最初のロシア人作曲家。「近代ロシア音楽の父」と呼ばれる。

 作品には、歌劇「皇帝に捧げた命」、歌劇「リュスランとリュドミラ」、管弦楽曲にはスペイン序曲第1番「ホタ・アラゴネーサの主題よる華麗な奇想曲」、幻想曲「カマリンスカヤ」、スペイン序曲第2番「マドリードの夏の一夜の思い出」、幻想的ワルツ、その他ピアノ曲、室内楽曲、歌曲がある。

 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲の一部を短くまとめてみました。


② ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840〜1893

 作品も多く非常に親しみ易い曲が多い。
 歌劇も10作品以上在るが、その中で「エフゲニー・オネーギン」が有名である。
 交響曲は第1番から7番までと別に「マンフレッド交響曲」というのがあり、ピアノ協奏曲は3曲の他に「ピアノと管弦楽のための協奏的幻想曲」がある。
ヴァイオリン協奏曲は1曲と「憂鬱なセレナード」というヴァイオリンと管弦楽のための曲があり、チェロ協奏曲としての作品は無いが、奇想的小品として「チェロと管弦楽のため」という作品がある。
バレエ音楽は3大バレエ音楽として「白鳥の湖」、「眠れる森の美女」、「くるみ割り人形」があり、ボリショイ劇場によって日本で何回もの公演がおこなわれた。

 また、劇付随音楽も多く、中でも「ボリス・ゴドノフ」、「ハムレット」が有名である。
管弦楽曲も多く、組曲1〜4番、幻想序曲「ロメオとジュリエット」、「ハムレット」、「テンペスト」があり、幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」、序曲「1812年」、「弦楽セレナーデ」、「イタリア奇想曲」、「スラブ行進曲」などがある。「1812年」は攻め来るナポレオン軍との戦いを描いたもので、終盤ではフランス国歌「ラ・マルセーユ」とロシア国歌が交互に現れ、最後にラ・マルセーユを打ち消すかのように旧ロシア国歌が演奏され終わる。スラブ行進曲でも最後に旧ロシア国歌が出てくる。

 5つの弦楽四重奏曲、一つのピアノ三重奏曲、1〜12月迄を表現したピアノ曲「四季」も有名である。

 作品の中から、

① ピアノ曲「四季から10月・秋」(楽譜はピアノの原曲だがリンクした演奏は現代の指揮者エフゲニー・  スベトラーノフが管弦楽化したもの)
  このメロディーはロシアのどこかの森で色づいた木々の間をさまよいながら遠く離れた恋人を慕うよう  なもの悲しさを感じさせる。
   

「弦楽セレナードの第2楽章」
  憂鬱で悲しさを感じさせるが、それでいて少しの楽しさも与えてくれる逸品である。

    

「交響曲第1番(冬の日の幻想)・2楽章
  チャイコフスキーお得意の寂しさの表現は既にこの交響曲1番から始まっている。1866年に作曲され
  た作品番号13であるから、極初期の作品である。
   

「交響曲第4番・1楽章」
  
1楽章の冒頭、ホルンに続いてトランペットのファンファーレのような旋律が奏でられる。チャイコフ  スキーの金管は弦に劣らずどれも素晴らしい。この冒頭の部分はこれから訪れてくる悲劇と闘えと勇  気づける戦闘ラッパのようにも聞こえる。いつも感じるのだが、ロシアのサンクトペテルブルク・フィ  ルハーモニー(旧レニングラード・フィル)やモスクワ放送交響楽団の金管はフランスのオーケストラ  の金管のように華やかでは無いが、多少ビリツキを感じるくらいに迫力を感じる。
   
「交響曲第4番・2楽章
  オーボエの旋律は何故こうも憂鬱や悲哀を感じさせるのか。チャイコフスキーはどうしてこのような雰  囲気を醸し出すのがうまいのか。
    

「交響曲第5番・2楽章
  4番ではオーボエをこの5番ではホルンを使って効果をを出している。牧歌的だが少しの悲哀も
感じさ  せる。聴くときの体調によっていろいろな情景が頭を過ぎる。
  
  

「交響曲第5番・4楽章」

  中間部分の一部を短く編集したものを載せてみた。やはりトランペットの部分である。この部分も悲劇  に打ち勝って人生を勇ましく進んで行く凱旋行進曲のように聞こえる。
  


 
     
 
ロシアの森の秋

 今回はグリンカとチャイコフスキーの二人について取り上げたが、二人とも53才で亡くなっている。

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