有縁・奇縁 - 8 - Home



  2013.11.28     6組 榮 憲道

 我が音楽史 -4-  「音楽まんだら その5」 SONG ♬写譜への挑戦♬

 6月になって、近所の文具店で音楽ノートを買い込んだ。どうなるか分からないが”ソルフエージュ”〈音楽の基礎訓練)の第一歩である。 
 娘の幼い頃に、ピアノを買い入れピアノ教室に通わせたが、その後、成長するにつれ弾かなくなったので、大阪から名古屋へ転居の際業者に売り払ってしまった。今その娘が、今度は自分の娘のために電子ピアノを購入して教えているようだ。そのピアノを借りてポツリポツリと弾き、一音づつ五線譜に写していった。

  ♪歌は愛 歌は 心をやさしくつつんでくれる
  あまりに悲しさ感じすぎて 心が疲れてしまった時
  Sing Sing Sing a Song 
  歌は愛 歌は 心をやさしくつつんでくれる
   (中略)
  Sing Sing Sing a Song 
  歌は力 歌は 心に熱い風吹きこんでくれる

 「SONG」というのはこんな歌詞の曲である。さとう宗幸の代表曲である「青葉城恋唄」と同じ星間船一作詞本人の作曲で,たまたま手に入れたCD『さとう宗幸全集』のラストに収録されており、彼のお気に入りの曲とも考えられる。
電子ピアノを使えば比較的簡単に出来ると考えていた。音合わせはなんとかなった。しかし、意外に難しいのが小節の区切りであり、8分音符か16分音符か3連譜か、その微妙な違いであった。《パソコンで、CDをかけたらそれが楽譜となって出来るソフトがあればいいのにな》、と嘆きながら悪戦苦闘していると、そんな私を知ってか知らずか、
「トランペットは移調楽器(ホルン、クラリネット等も)なのでブラスバンドやジャズバンドでは一般にB♭(変ロ調)の管が使われる。クラシックではA、B♭、C、D、E♭、F等によって、または指揮者の要求する音色によって使い分けられる。クラシックではCの楽器(俗称ツエー管)・・・」云々や「in E(注)」に代表される移調読みとか、吉田明夫さんからメールが届く。私には理解の外の世界であり、小田高の音楽畑に理系に多いのはむべなるかなと納得する。

7月となり、CDを何回、いや何十回も聴き直し、拍子を取りながら音符の長短を修正、何とか自分なりに仕上げた。そして恐る恐る東山先生にCDと楽譜を渡す。

 8月初め、先生から「これは弱起(アウフタクル)の曲だから、不完全小節からスタートしないといけません。私が清書してもいいんだけど、折角だからもう一度書き直して」・・音階のズレ、その他問題点をいくつか指摘される。
 9月、改めて書き直した楽譜に、「まだまだ不十分だけど・・・」と大分赤ペンが入った楽譜が戻ってきたが、どうやらぎりぎり合格となった。
10月に入り、例会で次の課題曲選定の打ち合わせとなった。何曲かの候補曲が出揃ったが、私の推した「SONG」にあっさり決まった。決め手は私が流したCDで、「とてもいい曲のようだ」とほぼ即決である。
汐路コミセン祭りは11月3日、2ヶ月かけて特訓?した7曲を発表する。
・真夜中のギター   ・森の水車      ・ステンカ・ラージン
・銀色の道      ・高原列車は行く   ・学生王子のセレナーデ

 そして「大切なもの」がフィナーレ曲である。
ここに至るまでには、いろいろ意見も出て取り纏めに苦労した。特に「ステンカ・ラージン」の3番をロシア語で歌うことに抵抗をする人もいたり、すぐにフライングする男性もおり心配したが、東山先生のアレンジもそれなりに消化して大過なく済まし、恒例の打ち上げ会、そして引き続いてのカラオケの宴は大いに盛り上がった。
その間、先生の最終チェックを受けた「SONG」の譜面を丁寧に清書してなんとか完成させた。11月19日、愈々お披露目である。全員に楽譜を配り、先生の指導で30分ほど歌い込む。どんな反応があるか心配していたが、皆気持ちよく歌っている。全体練習のあとの個人フリーの時間では、男性の何人かとほとんどの女性陣が「SONG」に挑戦してくれた。

 12月の例会で更に練習を積むことになるが、私のささやかな”今年の挑戦”はこうして完結した次第である。


(付記)写真は、11月3日の「歌曲の会」の汐路コミセン祭りの男性陣である。私は向かって前列一番右にいるが、前列は私以外皆10歳以上の大先輩である。私自身、10年後、このメンバーのようにここにいられるかとても自信がないが、いつもいっぱい元気をもらっている。傘寿目指して頑張りましょう。


                                       (つづく)

 
  楽譜にTromba(Trompeten) in Eと指定されていれば、ピアノのの音がトランペットのになるようなトランペットを使用せよということで、これをB♭(変ロ)のトランペットで吹く場合、#を6個付けて4度上げて吹けということだそうです。これを頭の中で移調して演奏することを移調読みというそうです。
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