去年の5月、愛犬のGYUが死んだ。
息子がアメリカから帰国することになり、犬を飼っていることを知った。捨てて来ることは出来ないだろうから、連れて帰ってくるように言わざるを得なく、成田 空港の検疫所に預けられた犬を見て正直驚き困惑した。黒い大きな犬で犬種はラブラドール・レトリバーで2才だった。
子牛のような優しい目で可愛いのでギュー(牛)と名付けられGYUと登録されていた。 当時は空港の検疫所に21日間預けて病気が無いことを検査しなければならなかった。
犬を飼うようになると家族全員で家を空けることは出来ないと思い、検疫所にいる間に家族旅行をしようと急遽、北海道へマイカーで一週間くらいのドライブ旅行の計画を立てた。アメリカにいる息子を常々心配していた青森のおばーちゃんに大人になった息子を見せたかったことから北海道経由青森への計画となった。息子は帰国前にインターネットで東京の会社に就職することが決まっていたから幾らか気は楽だった。
仙台まで行き夕方太平洋フェリーに乗り、翌朝苫小牧に着いて、苫小牧からは太平洋側をひたすら走ることとなった。
運転は息子が担当、私が地理係、家内は旅行雑誌を頼りに食事処、夕方になると携帯電話で今晩の宿と交渉する係を担当し、只々走る単純な自動車旅行が始まった。
息子が高校を卒業するとすぐにアメリカ(シアトル)の大学へ語学留学した後、コンピュータ技術のカレッジで3年間勉強し、時々帰って来たが、友達と会うのが忙しく、ゆっくり家族で話をしたことがなかったので、狭い車の中ではいろいろ話ができて良かったと思った。
「カニ、刺し身、ホタテ」など海鮮料理に初めは感激したが、毎日続くと流石に飽きてきた。折しも、台風が追いかけて来たので網走から中央部を一気に上り札幌に入り、一泊して一息入れ翌日、フェリーで青森に入り、家内の実家に着き「墓参り」をし無事帰国したことを報告、米寿に近い母親に「息子(孫)の成長ぶり」を見てもらうことが出来た。