2012 年始のご挨拶 Home



                              4組 植田研二   2012.01.01

 皆様 明けましておめでとうございます。

 東北の被災地のことを考えると、おめでとうなどと言うのははばかられますが、今年は復興に向かって方向を定め、踏み出す年であると思います。
 年末にeditorから投稿依頼をいただき、あまり音信不通でいると "あいつもう死んじまったんじゃねえか?" と言われるのもまずいので、ひとこと近況報告します。

 私は横浜から相鉄線で20分ほどの緑園都市駅の近くに20年来 住んでいます。62歳の時に仕事からリタイアし、その後は世のため人のためになることは何もせず、ただ遊び暮らしています。こんな境遇にあっても東北地方の被害には大きな衝撃を受けました。

 昨年(H23)は大津波と原発事故の重なった厄災の年でした。 日本の科学・技術に対する信頼が大きく損なわれました。私もエンジニアとして仕事をし、そ れなりに経済成長にも寄与できたと自負していましたし、日本の科学技術に対する信頼感を持ってきましたが、今回の災害に関する報道などを見て、だいぶ揺ら いでいます。

 自分の本業(化学プラントのエンジニアリング)の延長線上の仕事として数年間、原発の仕事をしたことがあります。ちょうどスリーマイル島やチェルノブイリ 事故の時期と重なっていますが、私のお付き合いをした、いわゆる原子力村の人たちは自らの技術に自信を持っており、チェルノブイリやTMIの様な事は日本 ではありえないと言っていました。 それに対して、"アメリカ、ソ連の次の事故は、原発の数から言って、日本かフランスではないのか?" などと冗談を放っておりましたが、まさか冗談が本当になるとは思ってもいませんでした。

 原発は安い?電力を供給することによって、産業の発展や生活の向上に寄与して来ました。一方で膨大な量の放射性物質を作り出し、潜在的危険性を蓄積して来ており、今回の事故でその一部が放出されました。

 放射能は化学反応と異なり温度や圧力をかけたり、触媒を使ったりして反応を促進することができず、それぞれの物質に固有の半減期に従った減衰をただ待つし かありませんので、今度の事故の処理には時間がかかり、我々年代の人はその結果を見ることが出来ません。次の世代に大きな負担を負わせることになりました。



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