世界の庭園


「ウズベキスタン桜植栽プロジェクト」の編集後記
2015.06.29
4組  吉田明夫

 私は若い頃からこの辺の地域にはとても興味を持っていた。パキスタン北部からタジキスタン、キリギス、そして今回投稿をしていただいた小林さんの活躍したウズベキスタンからトルクメニスタンを経てトルコへ。そしてボスポラス海峡を渡りギリシャ、ブルガリアからヨーロッパへ。

 20代後半頃、小田原にアラディン・タイムールという外国人が居た。彼は私より2、3才年上だった。国籍不明で何人かもよくは分からなかったが、今で言う自動車の走り屋のハシリであった私とは直ぐに知り合いになった。彼は日産のZ430というフェアレディーZに当時としては初めてのDOHCを積んだすこぶる早い車に乗っていた。私は同じフェアレディーZであったが、エンジンはただのOHCの2400ccを積んだ240Zというものだった。この当時のスポーツカーは今より軽量であったから、加速や最高速度は今の3000ccを越えるパフォーマンスが得られた。彼は自分の愛車のボンネットに大きな日の丸を描いていた。だから車を変えても常に車体色は白であった。私がその日の丸について問うとこれは古代エジプトの旗だと真面目顔で冗談を言っていた。まあ、一般の日本人は古代エジプトの旗の模様なんて知る筈は無いから。
 その後あるとき突然居なくなり、今は何処に行ってしまったか、よく分からない。本人はオスマントルコ系の末裔と自称していたそうだが、良く分からない。私から見るとコーカサス地方の顔立ちに見えたが。KGBかCIAかそれらの関連か。不思議だが人間としては魅力があった。何故か日本人としての常識も日本人以上に有していたからだと思う。

 話が横にそれてしまったが、彼とお茶をしているときにこの中央アジアの話になり、私がこの辺を車で行ってみたいと言ったらあの辺はヤバイよと言われた。時間が経つとその意味が段々と分かってきた。小林さんの言う「ムジャヒディン」、その後出てくる「タリバン」その他諸々の武装勢力があの辺には群雄割拠しゴチャゴチャといるのだ。
 今行くとすれば、中国西域のウルムチ市(中国語:烏魯木齊市)まで飛行機で行きそこから、アジアハイウェイ第5号でカザフスタンからウズベキスタンに入り、トルクメニスタンに抜けるというコースであろう。まあ、この衰えきった足腰では無理であろうが。

 それは兎にも角にも、これらの小林さんのJICAでの活躍は素晴らしいもので、少なくとも日本とウズベキスタン及びその周辺国との親睦が深まり、平和的繋がりが強力に構築出来、世界の平和の一翼を担えるものと確信します。


 さて、ここで私の友人から小林さんの記事に対するメッセージが届いていますので、紹介しようと思います。彼は私の無線愛好会の仲間で20代からの付き合いがあります。


 「ウズベキスタン桜植栽プロジェクト」を読んで
2015.06.29  伊勢原市在住 小川敦久
 こんな所に日本人抑留者の墓地がこんなに存在していたのか、と先ずは驚かされた。 と共に、こんなに遠く離れた異国の地に眠る抑留日本人のご苦労やら苦難に思いを馳せ、平和な時を迎えている現在の日本を創ってくれた先人に感謝の気持ちでいっぱいになった。そのような思いを強く懐いた理由はJICAの活動に尽力されている小林さんや、このような事業を提案し実現された中山成彬さん、恭子さんの姿に感動したためでもある。

 現在国会で議論されている安全保障法制に関連して、どのようにしたら戦争抑止が可能か?という方法論を自分に問い続けている私としてはこのような地道な非軍事分野での平和と繁栄への貢献活動が一つの具体策になるという思いも重なっている。

 何も具体的な方策も提言せずただ平和を、憲法を守ろう、戦争反対を叫ぶだけの無責任な連中とは違って具体的な活動を行っているJICAの方々や小林欣也さんへの共感が私の気持ちを後押ししているように思う。

 どのような経緯でなったかは定かではないが、ウズベキスタンの墓守の方々が日本人抑留者墓地を守ってくれているということも感動的であった。
 これは現地の方々の風習や人としてのやさしさに加えて抑留された日本人の方々の勤勉さや真面目さに触れた現地の方々の思いがそうさせているように感じられてならない。

 日本から植栽された桜の木が現地で花を咲かせ日本人抑留者の霊のみならず現地の人々の心を温め癒してくれることを信じつつ・・。

 そして小林欣也さん有難う!
                                  
 P.S. : 2015/06/28付け読売新聞朝刊にJICA(国際協力機構)の現理事長田中明彦氏の寄稿文「日本の平和貢献」という一文が掲載されている。 これからもこのような活動を通じて積極的平和貢献を行っていくことも日本の存在価値を世界に示す良い事例になると思う。

 応援したいものだ。


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