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民主主義の衰え その2 sono2

2017.04.04

4組   今道周雄

 最近「教育勅語」の論議が喧しい。127年前に発布され1948年(69年前)に排除が決まったものが、何故今また息を吹き返しつつあるのか?
それは偏に「民主主義、主権在民」という思想が衰えたことが原因である。
 教育勅語の基本思想は「皇臣民」であり、皇に従う臣と民がいかにして「義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼」するべきかを説いている。
 安倍内閣には「忠君愛国主義」が跋扈している。首相はことあるごとに「決めるのは私」を連発し、議会主義の原理である、「議会が民意を汲み取って決定したことを行政府が実行する」ことを否定している。防衛相は2017年3月8日の参院予算委員会で「教育勅語の精神は取り戻すべきだと考えている」と持論を述べた。 自由民主党の国会議員のうち246人が「日本会議国会議員懇談会」に属し、「歴史と伝統に基づいた、新しい時代にふさわしい新憲法制定」を目指している。この「歴史と伝統」が何を指しているかと言えば、「八紘一宇」であったり、「教育勅語の精神」であったりするのだろう。
 一方、民進党はいと易々と「民主」というタイトルを脱ぎ捨てた。しかし、「民主主義」を日本国民が手に入れるために、どれほどの犠牲を払ったか振り返ってみる必要がある。第二次大戦降伏まで、日本国民は「義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼」するために300万人以上の死者を出している。
 日本国の主人は他でもない我々国民なのだが、その国民が苦労の末にようやく手に入れた「民主」を自らの手で守ろうとしていない。それは投票率の推移に如実に現れている。実に嘆かわしいことだ。



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