ちょっと発表



2014.09.24   4組 吉田明夫

 シートベルト

① 忘れがちな後部座席のシートベルト

 最近、衝突や追突の事故が頻繁に発生している。その中でも後部座席の幼児や高齢者が社外に放り出される事態が多いと云われている。警察の調べでは後部座席のシートベルトが着用されていないことが多いそうだ。何故、着用しないのか、また、着用させないのか。常識として親や運転責任者が発射直前にチェックしなければならないのである。運転者は特に幼児に対しては、自動車に乗ったら必ずシートベルトを着用するように習慣付ける必要もある。
 衝突、追突時の同乗者に働く力は、あらゆる方向に生じる。前後、左右、上下、斜め、衝突の状態によりどちらへ力が働くかは事前には分からない。であるから、現状のたすき掛けタイプのシートベルトは本来頼りないものなのである。衝突時に働く力によってはベルトが外れなくても身体は横に抜けてしまうのであり、全く効果が無い場合が多く生じるのである。シートベルトを着用していなければ、急ブレーキをかけた時に運転者以外は前につんのめってしまう。であるから着用しないよりした方がましなことは事実なのだが、あまり期待は出来ない。大概の衝突実験では前方に真っ直ぐ衝突した場合を再現している。実際はもっと複雑な衝突が現状なのである。

② シートベルトは伸びる

 1980年代初めに富士スピードウェイで「グランチャンピオン・シリーズ」というレースが年間10回くらい開催されていたことがある。いわゆるグラチャンである。そしてその前座にRX-7(SA22C)とトレノ・レビン(AE-86)の混在レースが組まれたことがあり、それに出場したことがある。RX-7はロータリーエンジンで2ローターの573×2=1146ccであるが、レースに参加するときはこれに1.5を乗じ1700ccとし、AE-86は1600ccだから両者ほぼ同じと見做し、混走レースとしたのである。ところがこのレースを計画した主催者が見落としたことが1つだけあったのである。
 それはRX-7にリア・スポイラーの装着を認めなかったことである。この車はパワーが有って速いのだが、リア・スポイラーが無いと後輪が滑りやすい特性を持っていた。練習走行が始まるとあちらこちらのコーナーでスピンが生じたのである。勿論、RX-7である。私はトヨタ・トレノでの参戦であったから、嫌な予感がしてきたのである。
 レースが始まって中盤頃、250Rという逆バンクの高速コーナーでの出来事である。こういうコーナーでは、勿論全車イン側を走る。ここは1600ccの車両での速度は約160Km/hくらいである。私がそこへ差し掛かると前方のインでRX-7がスピンをしている。私はアウト側へアクセル全開で逃げたが
不幸にもスピンしたRX-7は私の進路に滑ってきたのである。そして不運にも私のトレノとRX-7は衝突をしてしまったのである。テレビ中継が行われていたので、惨めな姿がバッチリと義弟のテレビに映っていたそうである。
 ここでシートベルトの話に切り替えましょう。レースでのシートベルトは4点式か5点式である。両肩と腰をガッチリとバケット・シートに固定するのである。ステアリングは180度回せるようにシートの位置を固定する。ステアリングの下部と私の
腹部の距離は大体20㎝である。手と足以外は動かせない。頭は左右後ろは駄目で僅か前にコックリが出来る程度である。この衝突時に私の腹はステアリングの下部に打たれたのである。雁字搦(がんじがら)めにされ、動けないはずの私の腹が20㎝移動してステアリングにぶつかったのである。ということは、シートベルトは伸びるということである。この若干の伸びるということが多分突然切断されるよりも良いということなのだろうと思う。 

 以上はレースでの話であるが、一般車でももっと安全性の高い着用し易いシートベルトを装着して欲しいものである。


  



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