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  2015.02.15 7組 斎藤良夫

「子持ち唐獅子」、江戸民具街道で公開


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 木彫りで真っ黒。そして玉眼。このユニークな姿を、一見して、なんと表現してよいやら----。一対の「子持ち唐獅子」。博物館「江戸民具街道」(秋澤達雄館長、神奈川県中井町)にある----。趣味の会「日本参道狛犬研究会」(三遊亭円丈会長)に所属する私の狛犬探訪の一コマです。この親子獅子は、これまで収蔵庫に保管されていたが、このほど、常設展示された。私は以前からこの獅子に関心があったが詳しいデータが分からない。そこで、一般公開を機会に紹介して、皆さんからの情報を求めるしだいです。
 
 元建設会社社長の秋澤館長(84歳)が昭和35年に東京のデパートで入手した。仕事柄、この種の彫りものに興味があり、前々から収集していたという。入手時の表示は「子持ち唐獅子」だけで制作年代や場所は書かれていなかった。国内の木彫りの獅子・狛犬は主に神社の拝殿内に置かれており、色彩は金銀色を施し鮮やかだ。神社境内など外に置かれた「参道狛犬」に対して、通称「神殿狛犬」と呼ばれている。口が開閉、つまり阿吽の形になっている。ただ、私は子持ちの例を見ていない。玉眼については、日本で木彫りに玉眼が使われ始めた時期は鎌倉期頃からといわれる。仁王像や仏像などにはよくみられるが、狛犬に使われているのは数少ない。

 小田原市中里の「満福寺」の山門前に一対の木彫りの子持ち狛犬(獅子)が鎮座している。共に口を開けている。木彫り狛犬が屋外に置かれているのは珍しい。寺では毎年1月28日に「山伏による火渡り呪法」が行われ、地元のニュースになっている。狛犬は同寺の藤原義章師が30年ほど前、アジアの仏跡巡礼中にビルマ(現・ミャンマー)の骨董店で買い求めたものという。一刀彫りで大きさはほぼ1m。胴体などにひび割れはあるが、長い間の風雨によく持ちこたえている。

 博物館 「江戸民具街道」の前身はエンジニアリング会社の独身寮。大小18部屋に、からくり人形から灯火具まで展示品はざっと1500点。1月30日に加藤憲一・小田原市長が就任後初めて同館を訪れ、秋澤コレクションと数々の道具類に見られる先人の知恵などの感想を市長日記に記している。

 唐獅子は古楽器と並んで展示されている。大きさは約70cm。2頭の親獅子は満福寺の狛犬と同じように思いっきり口をあけている。顔(頭)はでっかく、逆に胴体と足は短く、顔とほとんど同じの2頭身。首をかしげているのは背中の子獅子を見やるためか。デフォルメ化された鬣(たてがみ)や尾----。随所に彫られた不可思議な造形に、見飽きることはない。

 似たような木彫り獅子・狛犬情報がありましたら、ぜひ、教えて下さい。

元建設会社社長の秋澤館長(84歳)

 


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