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  2015.03.09 7組 斎藤良夫

ご近所の庭に「相思鳥」飛来


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 ソウシチョウ----スズメと同じくらいの体長14~15cmほどの野鳥。嘴(くちばし)が真っ赤で、目はつぶらな黒、体はウグイス色で翼には黄色や赤い縞模様がある。つがいのオスとメスを分けてしまうとお互いに鳴き交わしをするため「相思鳥」の名前が付いたと言われる。もともとは中国にいる鳥で姿が美しく鳴き声も良いため中国ではポピュラーな飼い鳥らしい。日本にいるのは中華街での飼い鳥が放鳥・カゴ抜けしたものと言われる。

 もう一か月近く経つだろうか。「珍しい鳥が庭にきた----」と自宅(小田原市国府津)近くのFさんが2羽の鳥が写っている写真を見せてくれた。名前を聞かれたが、野鳥や植物の名前にうとい私は、望遠レンズ片手に野鳥や自然をカメラにおさめている友人に問い合わせた。早速の回答が先述の話。そう言えば、一年ほど前に友人が酒匂川で撮った写真を見せてくれたことを思い出した。もちろん私はソウシチョウを見たことも、その鳴き声を聞いたこともない。

 インターネットで調べてみると、結構載っている。YouTubeで鳴き声も聞ける。ただ、どう紹介していいのか分からない。昔の話になるが、何回か探鳥会(バードウォッチング)に参加したことがある。その時、「聞きなし」を教えてもらった。鳴き声・囀(さえず)りを、意味のある人の言葉やフレーズにあてはめて、鳥の名前を覚える手法である。
例えば、ウグイスは、皆さんご存知の『ホーホケキョウ』、また、ツバメは『土食って虫食って渋い』----といった調子。ただし、ソウシチョウについては、この「聞きなし」が無いらしい。ただ、「野鳥の声はほとんど聞き分けられる」と自負する愛鳥家は、竹やぶの中で聞いたソウシチョウの鳴き声を『ビョッビョッビョッ チョウーホイ チョーホイ チョーホイ----』と表現している。参考になるだろか。

 ちょっと余談になるが、ある探鳥会で野鳥の会のメンバーから聞いた忘れられない話がある。
「『カァ、カァ』と澄んだ鳴き声はハシブトガラス。『ガァ、ガァ』と濁った声はハシボソガラス。----そして、最も良い声は、マリアカラス!?」と。私は思わず、クスッと笑ってしまった。しかし、声を潜めての探鳥途中で、まさかこんな時に冗談やジョークが出るとは誰も思わないので、中にはそれと気付かず真剣に頷いている人もあり、話した本人が顔をあからめていた。この話、私は時々使わしてもらっているが、「マリアカラス」を知らない人には、もちろん通じない話。対象が若い人たちだと、まず無理なのが最近の私の実感である。

 話をソウシチョウに戻そう。群れをつくって飛ぶとも言われる。「会社の透明な窓ガラスによく野鳥が衝突している。かわいそうなので、衝突防止のために紙を貼った」とは、神奈川県山北町に会社がある社長の話。ソウシチョウとは断定していないが、まだまだ自然豊かな山北町ならではの話である。
ソウシチョウは、 飼われていたものが放されて野生化したもので、特定外来生物に指定されている。営巣場所が競合するウグイス やオオルリが駆逐(くちく)される危険があり、 日本の侵略的外来種ワースト100選定種になっている。色鮮やかな美しい姿と、鳴き声を耳にする愛鳥家にとっては複雑な思いのようだ。

 皆さんはもうウグイスの初鳴きを聞きましたか。地域や場所によって時間が異なるし、この時期の鳴き声は、必ずしも「聞きなし」のようではないようだ。春。ウグイスに限らず、いよいよ数々の野鳥の鳴き声を楽しめる季節の到来である。

 なお、ソウシチョウのことを教えてくれた友人は、一年前に「野鳥写真展」を開いた。その一瞬をとらえた様々な飛翔の姿は実に見応えがあり、評判を呼んだ。写真の主は神奈川県二宮町在住の椎野孝行さん。その時に、私が作らせてもらったポスターを改めてここに紹介します----。


 
     



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