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  2015.06.10 7組 斎藤良夫

「大津絵 番傘アート展」(6月2日~7日=入場無料 平塚美術館 市民アートギャラリーにて)


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 「えっ、今日が最終日----」と、あわてて展覧会場に向かう日々が最近多い。平塚市美術館市民アートギャラリーで開かれた「大津絵 番傘アート展」(6月2日~7日=入場無料 平塚美術館 市民アートギャラリーにて)もその一つ。庶民絵画、風刺画、あるいは世相画ともいえる大津絵は、私の心を打つモノがあり、観ていて見飽きない。直径2mの番傘や長さ10m近いロール紙はじめ大小の番傘、色紙などに描かれた展示作品はざっと70点。大津絵師の河口邦山(かわぐち・くにさん)氏(75歳)=神奈川県大磯町在住=によると、これまでの最大規模の展示会という。

 河口氏の大津絵は、テレビや新聞などマスコミで何回も紹介され、個展回数も多いため、河口氏の名前を知っている人は多いと思う。私も何回か河口作品を目にしているが、もちろん今回のような作品群に囲まれたのは初めて。私が訪れたのは最終日の7日の午後3時過ぎ。受付によると、6日間の入場者は1000人を超えているという。「美術館の企画展の内容によって客足が左右されるんです」とは河口氏。ちなみに期間中の企画展(入場有料)は、「京都市美術館名品展 美人画の100年」(4月25日~6月7日)と、「川口起美雄 ~絵画の錬金術師」(4月18日~6月14日)の二本立て。この日は「美人画展」の最終日でもあり、また、絵画愛好会のメンバーによる、美術館所属彫刻作品をデッサンするワークショップも行われており、客足は途切れなかったようだ。

 企画展鑑賞帰りに立ち寄ったお客の中には、大津絵を初めて見る人も多かったらしい。河口氏が耳にしたその感想は、「ほっこりした感じ」「元気をもらった」----というのが大半だそうだ。私は、作品群に圧倒されたと同時に、大津絵に囲まれて実に心地良い思いだった。カラフルな色彩、漫画チックな絵柄、それに添えられた一筆というか、絵師・河口氏の社会派メッセージとが相まって、物語に包まれた感じさえした。河口氏のホームページ http://ootsuya.net をのぞくと、「大津絵ワールド」が一層楽しめます。

 そんなわけで、日曜日の午後、「大津絵」で一服しました----。


 

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