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  中野京子の耳で聞いた絵画10点

 2018.08.27    斎藤良夫

「ゴッホの作品で娼婦のヌード『悲しみ』です。ゴッホは妊娠中のこの娼婦と結婚するつもりだったのですが周囲の反対でできませんでした。作品からはゴッホの悲しみまでが伝わってくる名作です-----」=中野京子

 各 位

上記の一文はNHKの日曜カルチャー・ラジオ講座「人間を考える 美を語る」の中で紹介された中野京子講師(作家、ドイツ文学者)の一言です。講座の副題は「西洋の男女ヌード450年」。今年の6月にラジオ第2放送で流され、その後「ラジオアーカイブス」としてインターネットにアップされました。 それも8月20日(月)限りで配信が終了します。ラジオでは当然、絵画の画像が見えません。配信終了を前に何回も耳で聞いた中野講師の絵画10点を映像にまとめてみました。

 紹介された西洋のヌード絵画はルネサンス以降のものです。「神話画」「宗教画」「擬人画」「歴史画」「特定人物の画」の順にそれぞれの合わせて代表作10数点が紹介されました。その女性ヌードの幕開けがボッティチェリーの『ヴィーナスの誕生』で、男性ヌードはアポロンを描いた『ヒュアキントスの死』です。同じ題名で2点紹介されました。アポロンの青年像の作家はティエポロ、ボーイズラブを描いたのはブロックです。講座は1時間。 ゴッホの『悲しみ』に次いで最後に登場したのが女性作家、レンピッカの『肖像』です。「彼女はバイセクシャルでモデルは当時同棲していた娼婦です。レンピッカの女性の表情には男性作家では描けない女性作家なりの表情が見て取れます」、とは中野講師の話です。

 ここでは一点一点の説明はできません。作品は添付のアルバムをご覧になって頂きますが、異時同画の手法を使ったクラナハの『楽園』(エデンの園)、また、神が指先からアダムに命を吹き込むミケランッジェロの天井画『アダムの創造』は、映画『E・T』にも影響を与えました-----等々と中野講師の話は多岐に渡っていました。録音の元はNHKカルチャーセンターでの講座。 受講生はパワーポイントなどで紹介される映像を見ながら中野講師の話を聞いているわけですが、こちらはラジオ。加えて話に出てくる作品で目にしたことがあるのはせいぜい『ヴィーナスの誕生』くらいです。皆さまの中には現物を鑑賞された方がおられると思いますが、私は全くの絵画オンチ。それでも想像をたくましくしてアーカイブスを聞く楽しみがありました。アルバムにまとめた画像については、今の段階では中野講師の話を反芻できます。

 いずれまた、記憶も消えてしまうでしょうが、とりあえず放送された作品を画像にまとめましたので、いつものように勝手にメール送信をさせてもらいました。長々と駄文を連ねました。あしからず、ご寛恕下さい。

 今回の国府津番外は、「西洋の男女ヌード450年」でした。それでは、また-----。

 斎藤 良夫

 






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