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映画『MINAMATA』を観て

 2021.09.22    斎藤良夫

傘寿のまだらボケの頭をガツンとやられました----。映画『MINAMATA』によってです。9月23日に全国一斉に公開され、私は小田原市中里にあるTOHOシネマズ小田原に、イの一番に足を運びました。アメリカのカメラマン、W.ユージン・スミス、アイリーンM.スミス夫妻の写真集『水俣 MINAMATA 』をもとに、ジョニー・デップ等によって制作されました。水俣病患者の姿を改めて目にして、“衝撃”を新たにしました。

 もう半世紀は経つでしょう。新聞記者時代に水俣病裁判を取材しました。「新潟水俣病」「四日市ゼンソク」「イタイイタイ病」と並ぶ、いわゆる“四大公害裁判”の全ての結審、判決を書かせてもらいました。当然、法廷の記事が中心ですが、原告(被害の患者さん)の集会、被告(会社)との直接交渉現場なども取材しました。スミスご夫妻にお会いしたことはありませんが、名前はよく知っていました。今回の映画を観て、当時の模様がだんだん蘇ってきたしだいです。エンドロールで紹介された世界21か所にのぼる「人為的な公害・薬害事件」が、実に印象的でした----。

 映画鑑賞のあと、直ぐ近くのダイナシティ4階にあるギャラリーNEW新九郎で行われた「アール・ド・ヴィーヴル展」出品者によるギャラリートークを拝聴しました。作品だけ見ても、その形や色使いなどに感心させられますが、作家たちの制作姿勢を生の声で聞くと、作品に一層ひき込まれます---。

「アール・ド・ヴィーヴル展」は9月27日まで。映画『MINAMATA』の上映は9月30日までです。それでは、また---。

 



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