日本で繁くテレビに出るようになった「おかま」や「おねえ」というのも、範疇としては、「ニューハーフ」に限りなく近いのだそうです。更に、「女装なんとか」というイカツクて怪しいヤツまでがテレビ画面狭しと映し出されるようにもなりました。私には、このような日本の“似非ニューハーフ”が醜怪に見えるだけで、ついぞこの方、こうした人たちから「美」を感じたことがありません。「ゲイ」ではないから「無ゲイ」なのでしょうが、芸を鍛え上げられたタイのニューハーフに比べると全くの「無芸」のように思えます。「美」がむりなら「笑い」でも良いのですが、サービス精神は乏しく、自分を鍛え上げようとする向上心のかけらも見えず、何とかならないものかと改めて思います。
そもそも、日本の“似非ニューハーフ”、更に言えば、これを登用している日本のテレビ局にとっての“顧客”はどんな層なのでしょうか。かつて、日本製品を”Japan as No.1”の地位に押し上げたTQC(全社的品質管理)の経営思想のもとでは「顧客満足度」向上が最優先課題とされていました。日本の“似非ニューハーフ”の姿を見て、顧客軽視が日本経済の沈没につながったのではないかと思うのと同時に、ニューハーフショーでの見事な顧客満足度重視の姿勢がビジネスの面にまで浸透してくれば、タイの産業界の展望が開けてくるのではないかとも思っています。