食卓にのぼった北海の美味
三井系企業の勉強会に「三井業際研究所」というのがあって、私も1993/4-1997/3「情報関連投資委員会」に参加していました(私が勤めていた東芝も三井系なんですよ)。委員会活動が終わった後も毎年OB懇親会は開かれており今年も3/27に都内某所で行われました。委員会の主査をされていた濱本敏孝さん(当時、大坂三井船舶専務)を中心に懇談が盛り上がっていましたが、なんといっても当日の引き立て役は食卓にのぼったタラバガニでした。久方ぶりに口にした北海の美味に、普段から垂れている目尻がいっそう垂れてしまいました。
タラバガニはカニにあらず
図に乗って、「タラバって何語だと思いますか」と濱本さんらに問いかけてから、「タラバというロシア語の単語はありますが、実は、ニシンがとれる場所をニシン場というようにタラがとれる場所だからタラ場っていうんですよ」とし、その上さらに「カニというけど実際はヤドカリの仲間なんですよ、ご存知でしたか」と、馬鹿の一つ覚えの“痴識”をひけらかして場を盛り上げようとしたのですが、なかには「えっ、ヤドカリの仲間なの!?」と、折角の北海の海の幸なのに少々腰を引かれた向きもおられたのかもしれません。
改めてタラバガニの正体検証
私自身も、ちょいと気になって、改めてカニとヤドカリって一体どこが違うんだろうと思い始めました。早速、OB懇親会の翌日インターネットを検索してみますと、「和名は生息域がタラの漁場(鱈場:たらば)と重なることに由来し、古来、“鱈場蟹”と呼ばれてきたものを、生物学が、学術名として引き継いだものである。“カニ”の名称は学術的には問題があるが、広く普及している通俗名を重視する姿勢をもって、改められることなく採用された。」と私の馬鹿の一つ覚えの“痴識”を裏付けるようなことが書いてありました。
欧米でも“クラブ・クラブ”のメンバーだった
それじゃ英語ではどう呼ばれているかと言えばRed King Crabで、これも嶽実的にはカニではなくクモに近い動物とされていながら同じく英名 King Crab と呼ばれるカブトガニと同様に、魚種(蟹種?)差別されることなくクラブ・クラブ(Crab Club:蟹クラブ)のメンバーとされているということが分かりました。洋の東西を問わずタラバガニはカニなんだよなあ。タラバガニの写真をインターネット検索してみると下の通り。どう見たってカニの姿じゃありませんか。どうして学術の世界ではメンドクサイ差別をするんだろ? |