同じ「キュウリウオ科」の魚で、みごと「シシャモ代用魚」の役割を果たしているではないかとも思うのですが、本家シシャモ専門店「カネダイ大野商店」となるとそうは簡単に“似非シシャモ”の存在を認めるわけにはいかないようです。ホームページに「(同じキュウリウオ目ですが)シシャモ属とカラフトシシャモ属と属種が分けられていて、生物学的に全くの別種です」としたうえで、北海道の太平洋沿岸に生息する日本固有種の「シシャモ」と海外から輸入される「カペリン(カラフトシシャモ)」が「シシャモ」という名前で国内に流通しており、「異なる魚であるのにまったく同じ名称で販売されている為、消費者に混同されてしまうことが多い」と訴えたうえで、「人間、チンパンジー、ゴリラも同じヒト科ですが、属種が異なる全く別の動物です。人間とゴリラはぜんぜん違う別の生き物です。同じネコ科であっても、もしも動物園でネコが“ライオン”とされていたら来園者の皆様はどう思うでしょうか?」と記述して注意を喚起しています。
<シシャモ代用魚も“幻の魚”に>
最近の日本経済新聞に「シシャモ 食卓から消える」という記事が載っていました。はてはと思ったのですが、案の定、樺太シシャモ(カペリン)のことで、「国内流通の9割以上を占める北欧産の中でも大産地のノルウエーが10月に資源確保のため2年連続で禁漁とすることを決めたので、来春には値上げで最高値となるか食卓から姿を消す事態になりかねない。ノルウエーと並ぶ大輸出国のアイルランドも来年の禁漁を検討中だそうですから、シシャモ代用魚の「キャぺリン(カラフトシシャモ)」が日本の食卓から一時的に消える可能性が十分あるということになります。たかがシシャモ代用魚ですが、されどシシャモ代用魚でもあって、酒肴の場にはなかなか欠かせないものです。改めて、目下のところ“似非幻の魚”カラフトシシャモに敬意を表しながら大いに賞味しようではありませんか。 |