ちょっと発表


アナログ的生活実験のあとで 

2021.04.27

6組  瀬戸章嗣

 昨年春にパソコンが故障した時、パソコンのない生活で何が起きるか試してみたいと思って、1年間過ごしましたが、この程パソコンを新調し、デジタル社会へ復帰しました。結果報告です。

1. パソコンを離れると時間的解放感があり、ボーとしている時間も、実に良いものだと知りました。
 以前はパソコンの情報を面白がって時間を取りすぎ、無意識の無理があったのだと反省もでき、手足 を動かして暮らす、感覚的なのんびり生活の良さを確認できたように思うので、よかったというのが 結論です。今後は、<ほどほど と バランス>に、留意しようと思った次第です。

2. 新聞をゆっくり読むことや、歩きながらいろいろ考えたり、感じたり、歩く姿勢を意識しての、近 くの森林公園散歩や、公園での健康体操(長年続けている呼吸術の“八段錦”を主体にしたものですが) 更に、コロナ対策でもある読書生活(古典文学・歴史・宗教などで、本棚に積んであったものや、古 本屋で見つけたもの)が、楽しいことを、改めて実感できました。

3. 最近の新聞で気がついたのは、つくりが変わったことです。 我が家は朝日新聞ですが、中身の一 覧性が増し、又、広告の数と量が増え、目次のように中身のキーワードが出ていたりして、読み取り が楽になりました。週刊誌の広告も、具体的情報内容が出ているので、キーワード読みができます。 最近は、両開きして読み、キーワードにマークを付け、切り抜きファイルしています。

 たとえば、4月24日朝刊には、Amazonランキング第一位(3/17)<死生観>というのがあり、
  <先賢たちの死生観に学ぶ>として、カミュ、ドストエフスキー、釈迦、孔子、荘子、ニーチェ、 栁田国男、ポー、小泉八雲、上田秋成、宮沢賢治、折口信夫、手塚治虫、水木しげる、深沢七郎、ハ ラリ、西部邁、カズオ・イシグロ、サン・テグジュペリの名が出ており、1月の紙面で、宗教学者山 折哲雄氏が、<「死の規制緩和議論の時」>と書き、最近は、上野千鶴子「在宅ひとり死のススメ」 が売れているらしく、下重暁子「明日死んでもいいための44のレッスン」では、44項目が1月2 9日の新聞広告欄に出ているなどあり、死と共に生きる事例が表に出てきているのを感じます。
 私もいまのところは、ピンピンで100まで生きてみようと思いつつ、いつでも「もうこれでいい」 と言えるようにしたいと努めているところです。

4. 古本屋に活気が出ているように思います。私は、月に一度、持病の気管支拡張症の定期診断と投薬 処方を受けるために川崎駅へ出ますが、帰りに古本屋へ寄るのが楽しみで、寄るたびに面白そうな本 を見つけて、定価1割2割の100円とか300円とかで買っています。
 「超訳 武士道」(新渡戸稲造)、「毛利元就」(八尋俊右)、「歎異抄に学ぶ」(尾畑文正)、
 「源氏物語を読む」(秋山虔、他)、等々などです。

5. デジタル社会へ帰ってきた早々に、向こうから入り始めたメール・マガジン等で、これからの社会 の変化を予感させる動きが二つあるように感じています。
 1つは、冷戦が終わった後、共産主義より優れていると思ってきた資本主義が、環境破壊や貧富拡大 問題などで行き詰まりを見せて、見直しの必要性議論の活発化が見えることです。 
 2021年新書大賞の第一位、斎藤幸平『人新世(ひとしんせい)の「資本論」』の書評を読んで、 久しぶりに新本を買いました。

 2つ目は、日本歴史の見直しで、戦後GHQの占領政策で植え付けられた、西洋中心主義や反日的歴史 認識から脱却した新説が注目されていると学びました。<人類は、16,000年前には日本に着い ていて、自然を神とする、縄文時代の信仰と文化を残し、日本文化の中に伝えている>、 <神武天 皇は、神話説より実在の可能性が高く、邪馬台国は存在しなかった>、<高天原は関東にあり、日本 建国の謎は、九州や西日本ではなく、関東にあった><千葉県の古墳から、ユダヤ人と思われる埴輪 が多数発見されている>、<京都はユダヤ人秦氏が作った>等の諸説が、名の知れた研究者によって 公表されていることを知りました。

 これらの動きは、現在の混迷する、宗教や思想や政治の対立が深まる世界で、日本人が果たす役割に も関係してくるのではないかと思い、今後に注目していきたいと思っています。
                                     以上