ちょっと発表



                                     2017.03.23 4組 山崎 泰
   二十四節気について  その4

『七十二候』(しちじゅうにこう)
古代中国で考案された季節を表す方式の一つの二十四節気をさらに約5日づつの3つに分けた期間のことで、各七十二候の名称は、気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっている。
中には「野鶏入水為蜃」(キジが海に入って大ハマグリになる)のような実際にはあり得ない事柄も含まれており、ここでは中国の「宣明暦」の七十二候は、現代日本人には馴染まないこともあり、外しますが、古代中国の二十四節気はそのまま使われているが、七十二候の名称は変更されており、日本でも江戸時代に入って渋川春海などの歴学者によって気候風土に合うように改定され、「本朝七十二候」が作成された。
現在では明治7年(1874年)の「略本暦」に掲載された七十二候が主に使われている。
七十二候の名称は、気候の変化や動植物の様子が短文で表されており、私たちの暮らしでは目にする機会の少ないこともありますが、おおかたはその時期の「兆し」を伝え、繊細な季節のうつろいを感じさせてくれると考える事といたしましょう。


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「立春の初候」 《東風解凍》(こちこおりをとく) 2月4日頃
春の風が川や湖の氷を解かし始める頃。「東風」(こち)とは春風を表す代名詞。

「立春の次候」 《黄鶯睍睆》(うぐいすなく) 2月9日頃
山里で鶯が泣き始める頃。春の訪れを告げる鶯は「春告鳥」(はるつげどり)とも呼ばれている。

「立春の末候」 《魚上氷》(うおこおりをいずる) 2月14日頃
水がぬるみ、割れた氷の間から魚が飛び跳ねる頃。春先の氷を「薄氷」と呼ぶ。

「雨水の初候」 《土脉潤起》(つちのしょううるおいおこる) 2月18日頃
雪がしっとりとした春の雨にかわり、大地が潤い始める頃。

「雨水の次候」 《霞始靆》(かすみはじめてたなびく) 2月23日頃
春霞がたなびき始める頃。春の霞んだ月を「朧月」(おぼろずき)と呼ぶ。

「雨水の末候」 《草木萌動》(そうもくめばえいずる) 2月28日頃
草木が芽吹き始める頃。草の芽が萌え出すことを「草萌え」(くさもえ)という。

「啓蟄の初候」 《蟄虫啓戸》(すごもりのむしとをひらく) 3月5日頃
戸を啓いて顔を出すかのように、冬籠りをしていた生き物が姿を現す頃。

「啓蟄の次候」 《桃始笑》(ももはじめてさく) 3月10日頃
桃の花が咲き始める頃。花が咲くことを「笑う」と表現し、「山笑う」は春の季語です。

「啓蟄の末候」 《菜虫化蝶》(なむしちょうとなる) 3月15日頃
青虫が羽化して紋白蝶になる頃。「菜虫」は菜を食べる青虫のこと、菜の花が咲いてまさに春本番である。

春分の初候」 《雀始巣》(すずめはじめてすくう) 3月20日頃
雀が巣を作り始める頃。昼の時間が少しづつ伸び、多くの小鳥たちが繁殖期をむかえる。

「春分の次候」 《桜始開》(さくらはじめてひらく) 3月25日頃
桜の花が咲き始める頃。桜前線の北上を日本中が待ち望む、お花見の季節の到来です。

「春分の末候」 《雷乃発声》(かみなりすなわちこえをはっす) 3月30日頃
春の訪れを告げる雷が鳴り始める頃。「春雷」は「虫出しの雷」とも呼ばれている。

「清明の初候」 《玄鳥至》(つばめきたる) 4月5日頃
燕が南の国から渡ってくる頃。「玄鳥」(げんちょう)とは燕の異名です。

「清明の次候」 《鴻雁北》(こうがんかえる) 4月10日頃
雁が北へ帰っていく頃。雁は夏場をシベリアで、冬は日本で過ごす渡り鳥です。

「清明の末候」 《虹始見》(にじはじめてあらわる) 4月15日頃
雨上がりに虹が見え始める頃。淡く消えやすい春の虹も次第にくっきりしてきます。

「穀雨の初候」 《葭始生》(あしはじめてしょうず) 4月20日頃
水辺の葭が芽吹き始める頃。葭は夏に背を伸ばし、秋に黄金色の穂をなびかせます。

「穀雨の次候」 《霜止出苗》(しもやみてなえいずる) 4月25日頃
霜が終わり、苗代で稲の苗が生長する頃。霜は作物の大敵とされている。

穀雨の末候」 《牡丹華》(ぼたんはなさく) 4月30日頃
牡丹が大きな花を咲かせる頃。豪華で艶やかな牡丹は「百花の王」と呼ばれています。


   《夏》

 立夏の初候」 《蛙始鳴》(かわずはじめてなく) 5月5日頃
蛙が鳴き始める頃。水田の中をスイスイ泳ぎ、活発に活動を始めます。「かわず」は蛙の歌語・雅語。

「立夏の次候」 《蚯蚓出》(みみずいずる) 5月10日頃
みみずが地上に出てくる頃。畑土をほぐしてくれるみみずは、動き始めるのが少し遅めです。

「立夏の末候」 《竹笋生》(たけのこしょうず) 5月15日頃
たけのこが出てくる頃。たけのこは成長が早く、一晩でひと節伸びるといわれています。

「小満の初候」 《蚕起食桑》(かいこおきてくわをはむ) 5月21日頃
蚕が桑の葉を盛んに食べだす頃。蚕がつむいだ繭が美しい絹糸になります。

「小満の次候」 《紅花栄》(べにばなさかう) 5月26日頃
紅花の花が咲き誇る頃。紅花は染料や口紅になり、珍重されました。

「小満の末候」 《麦秋至》(むぎのときいたる) 5月31日頃
麦の穂が実り始める頃。「秋」は実りの季節を表し、穂を揺らす風は「麦の秋風」という。

「芒種の初候」 《螳螂生》(かまきりしょうず) 6月5日頃
かまきりが卵からかえる頃。ピンポン球ほどの卵から数百匹の子が誕生する。

芒種の次候」 《腐草為蛍》(くされたるくさほたるとなる) 6月10日頃
草の中から蛍が舞い、光を放ち始める頃。昔は腐って草が蛍になると考えられていた。

「芒種の末候」 《梅子黄》(うめのみきばむ) 6月15日頃
梅の実が黄ばんで熟す頃。青い梅が次第に黄色みをおび、赤く熟していきます。

「夏至の初候」 《乃東枯》(なつかれくさかるる) 6月21日頃
夏枯草の花が黒ずみ枯れたように見える頃。「夏枯草」(かごそう)はうつぼ草の異名である。

「夏至の次候」 《菖蒲華》(あやめはなさく) 6月26日頃
あやめの花が咲き始める頃。端午の節供に用いる菖蒲ではなく、花菖蒲のことです。

「夏至の末候」 《半夏生》(はんげしょうず) 7月1日頃
半夏が生え始める頃。田植えを終える目安とされました。「半夏」は「烏柄杓」(からすびしゃく)の異名です。

「小暑の初候」 《温風至》(あつかぜいたる) 7月7日頃
熱い風が吹き始める頃。温風は梅雨明けの頃に吹く南風のこと。日に日に暑さがまします。

「小暑の次候」 《蓮始開》(はすはじめてひらく) 7月12日頃
蓮の花が咲き始める頃。優美で清らかな蓮は、天上の花に例えられている。

「小暑の末候」 《鷹乃学習》(たかすなわちがうゆうす) 7月17日頃
鷹の子が飛ぶ技を覚え、巣立ちを迎える頃。獲物を捕らえ一人前になっていきます。

「大暑の初候」 《桐始結花》(きりはじめてはなをむすぶ) 7月23日頃
桐の花が実を結び始める頃。桐は箪笥や下駄など暮らしの道具に欠かせないものです。

「大暑の次候」 《土潤溽暑》(つちうるおうてむしあつし) 7月28日頃
土がじっとりとして蒸し暑くなる頃。蒸し暑いことを「溽暑(じょくしょ)」と言います。

「大暑の末候」 《大雨時行》(たいうときどきふる) 8月2日頃
時々大雨が降る頃。むくむくと湧き上がる入道雲が夕立になり、乾いた大地を潤します。


   《秋》

 「立秋の初候」 《涼風至》(すずかぜいたる) 8月7日頃
涼しい風が吹き始める頃。まだ暑いからこそ、ふとした瞬間に涼を感じることができます。

「立秋の次候」 《寒蝉鳴》(ひぐらしなく) 8月12日頃
カナカナと甲高くひぐらしが鳴き始める頃。日暮れに響く虫の声は、一服の清涼剤である。

「立秋の末候」 《蒙霧升降》(ふかききりまとう) 8月17日頃
深い霧がまとわりつくように立ち込める頃。秋の「霧」に対して、春は「霞」と呼びます。

「処暑の初候」 《綿柎開》(わたのはなしべひらく) 8月23日頃
綿を包むガクが開き始める頃。綿の実がはじけ白いふわふわが顔をのぞかせた様子。

「処暑の次候」 《天地始粛》(てんちはじめてさむし) 8月28位置頃
天地の暑さがようやくおさまり始める頃。「粛」は縮む、しずまるという意味です。

「処暑の末候」 《禾乃登》(こくものすなわちみのる) 9月2日頃
いよいよ稲が実り、穂を垂らす頃。「禾」は稲穂が実ったところを表した象形文字です。

「白露の初候」 《草露白》(くさのつゆしろし) 9月7日頃
草に降りた露が白く光って見える頃。朝夕の涼しさが際立ってきます。

「白露の次候」 《鶺鴒鳴》(せきれいなく) 9月12日頃
せきれいが鳴き始める頃。せきれいは日本神話にも登場し、別名は「恋教え鳥」という。

「白露の末候」 《玄鳥去》(つばめさる) 9がる17日頃
燕が子育てを終え、南へ帰っていく頃。来春までしばしのお別れです。

「秋分の初候」 《雷乃収声》(かみなりすなわちこえをおさむ) 9月23日頃
雷が鳴らなくなる頃。春分に始まり夏の間鳴り響いた雷も、鳴りを潜めます。

「秋分の次候」 《蟄虫坏戸》(むしかくれてとをふさぐ) 9月28日頃
虫たちが土にもぐり、入り口の戸をふさぐ頃。冬ごもりの支度をする時期です。

「秋分の末候」 《水始涸》(みずはじめてかるる) 10月2日頃
田んぼの水を抜き、稲刈りの準備をする頃。井戸の水が枯れ始める頃との説もある。

「寒露の初候」 《鴻雁来》(こうがんきたる) 10月8日頃
雁が渡ってくる頃。清明の時期に北へ帰っていった雁たちが、再びやってきます。

「寒露の次候」 《菊花開》(きくのはなひらく) 10月13日頃
菊の花が咲き始める頃。旧暦では重陽の節供の時期で、菊で長寿を祈願しました。

「寒露の末候」 《蟋蟀在戸》(きりぎりすとにあり) 10月18日頃
戸口で秋の虫が鳴く頃。昔は「こおろぎ」を「きりぎりす」と呼びました。

「霜降の初候」 《霜始降》(しもはじめてふる) 10月23日頃
山里に霜が降り始める頃。草木や作物を枯らす霜を警戒する時期です。

「霜降の次候」 《霎時施》(こさめとこどきふる) 10月28日頃
ときどき小雨が降る頃。「霎」をしぐれと読むことも。ひと雨ごとに気温がさがります。

「霜降の末候」 《楓蔦黄》(もみじつたきばむ) 11月2日頃
楓(かえで)や蔦の葉が色づく頃。晩秋の山々は垢や黄に彩られ、紅葉狩りの季節です。


   《冬》

「立冬の初候」 《山茶始開》(つばきはじめてひらく) 11月7日頃

山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃。椿と混同されがちですが、先駆けて咲くのは山茶花です。

「立冬の次候」 《地始凍》(ちはじめてこおる) 11月12日頃
大地が凍り始める頃。サクサクと霜柱を踏みしめて歩くのが楽しみな時期です。

「立冬の末候」 《金盞香》(きんせんかさく) 11月17日頃
水仙が咲き芳香を放つ頃。「金盞」は金の盃のことで、水仙の黄色い冠を見立てている。

「小雪の初候」 《虹蔵不見》(にじかくれてみえず) 11月22日頃
陽の光も弱まり、虹を見かけなくなる頃。「蔵」には潜むという意味があります。

「小雪の次候」 《朔風払葉》(きたかぜこのはをはらう) 11月27日頃
北風が木の葉を吹き払う頃。「朔風」は北の風という意味で、木枯らしをさします。

「小雪の末候」 《橘始黄》(たちばなはじめてきばむ) 12月2日頃
橘の実が黄色く色づき始める頃。常緑樹の橘は、永遠の象徴とされています。

「大雪の初候」 《閉塞成冬》(そらさむくふゆとなる) 12月7日頃
空が閉ざされ真冬となる。空をふさぐかのように重苦しい空が真冬の空です。

「大雪の次候」 《熊蟄穴》(くまあなにこもる) 12月12日頃
熊が穴に入って冬ごもりする頃。何も食べずに過ごすため、秋に食いだめをします。

「大雪の末候」 《鱖魚群》(さけのうおむらがる) 12月17日頃

鮭が群がって川を上がる頃。川で生れた鮭は、海を回遊し故郷の川へ帰ります。

冬至の初候」 《乃東生》(なつかれくさしょうず) 12月22日頃

夏枯草が芽を出す頃。夏至の「乃東枯」に対応し、うつぼ草を食しています。

「冬至の次候」 《麋角解》(さわしかのつのおつる) 12月27日頃
鹿の角が落ちる頃。「麋」は大鹿のことで、古い角を落として生え変わります。

「冬至の末候」 《雪下出麦》(ゆきわたりてむぎのびる) 1月1日頃
雪の下で麦が芽をだす頃。浮き上がった芽を踏む「麦踏み」は日本独特の風習です。

「小寒の初候」 《芹乃栄》(せりすなわちさかう) 1月5日頃
芹が盛んに育つ頃。春の七草のひとつで、7日の七草粥に入れて食べられます。

「小寒の次候」 《水泉動》(しみずあたたかをふくむ) 1月10日頃
地中で凍っていた泉が動き始める頃。かすかなあたたかさを愛おしく感じる時期です。

「小寒の末候」 《雉始雊》(きじはじめてなく) 1月15日頃
雉が鳴き始める頃。雄がケーンケーンと甲高い声をあげて求愛します。

「大寒の初候」 《款冬華》(ふきのはなさく) 1月20日頃
雪の下からふきのとうが顔をだす頃。香りが強くほろ苦いふきのとうは早春の味です。

「大寒の次候」 《水沢腹堅》(さわみずこおりつめる) 1月25日頃
沢に厚い氷が張り詰める頃。沢に流れる水さえも凍る厳冬ならではの風景です。

「大寒の末候」 《鶏始乳》(にわとりはじめてとやにつく) 1月30日頃
鶏が鳥屋に入って卵を産み始める頃。本来、鶏は冬は産卵せず、春が近づくと卵を産みはじめます。



以上、七十二候を記述してみましたが、皆さんご理解できましたか、二十四節気に始まり雑節と七十二候まで季節と人々、特に農業に携わって来た人との関わりが深く、人間の生活にも深く関係していることが感じ取れました。
                         おわり

   







 

 


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