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榮君にお願い

2021.02.20

5組   柳川壱信

前略
 栢山時代、頻繁にお互いの居宅を行き来していたよしみで、ここでは勝手に「榮君」と呼ばせていただきたい。
 数十年の空白を一気に埋めてくれたのが、WEBでの出会いでした。
そして貴君がまとめる「八十歳からの初心者塾」に参加、僕にとって、新たな景色を覗く機会を与えてくれることになって、 あらためてお礼を申し上げたく、一筆したためる次第です。
 初心者塾は、少なくとも僕に、大きな一石を与えてくれることになりました。 正直なところ、当初は親友の下赤氏からの誘いがきっかけ、付き合い程度の短歌で臨みました。
 それが自分自身を見つめ、世の中のこと、自然や天空のことなどこれほど突き詰めて考えるようになるとは思いも寄らず、指を折りながらの、わずか三十一文字の世界に四苦八苦!この苦労、はて?どこかで体験したような記憶が・・・そう、極力無駄を省く作業が大事な結果を生む・・・その昔、身を置いた世界の経験でした。
 

                        

 そして短歌づくりを苦しむ内、 その形式を借りながら、謂わば「吾が意ひとこと」を伝える程度の、短歌専門家の批評を気にしないで済む、只の文言ではどうか?そう考えたらすっかり気楽になって、ぐーんとこの先が楽しく広がったような気分になってしまったのです。

 おまけに絵心が拍車をかけました。その絵心が伴走し始め、そのひとことに協調するように加わって、自己流に「描歌」などと新分野開拓のごとく張り切って止まらない。貴君の手ほどきが導火線となって没入したものの、いつの間にか道が反れてしまったようです。


そこで榮君にお願い。
 短歌の王道は外れましたが、貴君が一貫した「日常を広く深く愉しむ心」は僕にも真似できると思いますので、どうか僕を大目に見てください。
 かくして貴君が投じた一石は「これからのために生きてきた」と云える実在感。僕にとって、この先にどのような景色が見られるのか、一筋を示すような仕掛けのようだった。
 おそらく初心者として参加された諸兄も単なる趣味との出会いの他に、心中に何らかの火を灯したに違いない。思うに、貴君はそんな役割を演じようとしていたんだろう。
 あらためて、有難う!と言いたい。
そして、貴君はまだ僕の中に現存していて、導いてくれている。これからもよろしく!
                         敬具


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