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「道徳なき経済は犯罪」(二宮尊徳 
 2013.08.01    6組 瀬戸章嗣

 先日の参議院選挙テレビ政見放送で、小田高(高26)出身候補で開成町町長のつゆき順一さんが紹介した言葉ですが、アベノミクスの光の影の部分として懸念が強くなっている、原発の再稼働へ向けた姿勢に対して、的を得た警鐘と思いました。

 この言葉は久しぶりに聞いた言葉で、尊徳は同時に、「経済なき道徳は夢」として、 経済と道徳の両立を説いたと承知していますが、この言葉の紹介と、この二宮尊徳思想の後を継ぐ者としての<あじさい革命>提唱者の話を聞いて、私は、アベノミクス の光に期待はするものの、又、ねじれ国会解消を期待して自民党候補へ投票する積りでいたものの、つゆき候補への投票に変更しました。つゆき候補は落選でしたが、小さな町の町長としては、かなり善戦したと思いました。

 尊徳の教えが、実行されるべきは、まさに、<今でしょう>と思う次第です。
 私は、2年前に、原発は捨てられないだろうと思い、原発の安全神話から安全確保へ 向うべきではないかと当欄へ寄稿しました。今もその考えは変わっていませんが、最近の報道を見ていると、結果的にでも、先走り過ぎ=道徳不在を感じています。

 明治以来の富国強兵策が、製造技術崇拝に走り、底流にある概念や哲学の割愛すなわち<道徳なき経済>になり、今また、その道を辿りつつあるような気がします。

 ところで、安全の確保の仕方について、最近届いたメール情報によれば、アメリカの スリーマイル原発事故の後、欧米のリスクに対する対処の考え方が、パラダイム・シフトしており、「技術中心の概念」から「人間中心の概念」へ変わっているのに対し、日本は変わらず、福島原発事故も、地震や津波やシステムの老朽化が直接の原因ではなく、想定されない事態に臨機応変に対処する訓練ができていなかった人災であると断じています。

 論者によれば、廃炉を覚悟して、緊急炉心冷却装置の使用を、短時間に決断するという、世界の原子力業界では常識ともいえる手順を踏めなかったからだといい、我が国の原子力業界が世界原子力機関が勧告していた対処訓練をしていれば、
事故は容易に防げたと論じています。これを読むと、技術過信からやっていないことがまだまだあり、それを謙虚に認めて
積み上げていくことが、求められているのではないかと思った次第です。


         
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