石碑の周辺には瞻星台、歴代王の墳墓などが連なる美しい場所なのだが、美しいものばかりではなかった。瞻星台を眺めていると一人のご婦人が現れ、親切にもいろいろと説明してくれ、お土産によいものがあるから、ぜひ店に立ち寄ってくれという。そこでぞろぞろ連れ立って店に入ると、様々な土産物が並んでいる。我が女房は目敏くBBクリームを見つけると早速3,000円也を払って得意になっている。当時はBBクリームが有名になっていた頃で、韓国土産はBBクリームと決めていたらしい。女主人は大変安くお買い得です、なぞとおだてていたが京城では500円で売っていた。
ホテルコーロンに入り、さて晩飯をどうしようかと考え、フロントで聞くと2〜3の店を教えてくれた。夕闇が迫ってきた頃、皆で車に乗り込み、食堂へと向かったのだが、店がみつからない。道路は田舎道で街灯もなく暗いし、人家がないので道を聞くこともできない。しばらくしてようやくぼんやりと明かりがついた看板が出てきた。だが建物の構えは民家のようである。ままよと入ってゆくと、玄関にはピアノが置いてあり、正面の座敷には家族らしき人たちが卓を囲んでいた。案内をこうと女主人が出てきて、左手の座敷へ通された。待つうちに鶏肉鍋料理が出てきたのだが、びっくりしたのは針が無数に幹から生えている棍棒が無造作に鍋に入っているではないか。写真では上の端にちょっと出ているだけなのでこの驚きを伝えることが難しいが、この棍棒が食材であるとは到底思えなかった。尋ねるとこれは漢方薬だとのことであった。
話が前後する。釜山から京城までこのスターバックス一台で走ったのだが、はじめは吉田さんが運転し、私がナビ役をつとめていた。スターバックスに装着されているナビは、残念ながらハングル表示しかなく、さっぱり分からない。結局道路標識のアルファベット表示を頼って走ったのだが、高速道路を下りると標識が満足になく、道探しに四苦八苦した。 |